36人退団の女子プロ野球、レジェンド小西&里の退団理由は構想外「3日間、泣き続けた」

引退試合で挨拶を行った小西美加(左)と里綾実【写真:荒川祐史】
引退試合で挨拶を行った小西美加(左)と里綾実【写真:荒川祐史】

会社からは来季は正社員雇用とプロ契約の2つ選択肢

 女子プロ野球を今季限りで退団する選手たちの引退試合が8日、京都・わかさスタジアムで行われた。各選手たちが「89’ers」と「39’ers」の2チームに分かれ最後の雄姿をファンに届けた。

 試合は初回に京都フローラの中村茜がプロ入り初ホームランとなる先制2ランが飛び出すなど「89’ers」が5-0で勝利。試合後はファンとハイタッチ、その後は選手同士による胴上げが行われた。

 多くの選手が退団することになったが試合後に各選手たちが思いを語った。来季が11年目を迎え女子プロ野球としても改革を行うことになり、これまでは全選手が正社員としての雇用だったが来年からは正社員雇用とプロ契約の2つの選択肢を用意されたという。

 2010年の女子プロ野球創設からトッププレーヤーとして活躍し最多勝3回、最優秀防御率2回、本塁打王2回など数々のタイトルを獲得した小西美加はプロ契約を希望したが「来季の構想にはいないと言われたので」と“構想外”だったことを明かした。

 今季も11勝をマークし最多勝を獲得し結果を残したが「まだできるかなと思っていたが、構想にないことを告げられて、3日間泣き続けたが、今自分の心にあるのは立場が変わる。今までやってきた10年間は無駄なんか無かった。これをいかして野球界に貢献していこうと思っている」と語った。

「まだ投げれるし打てるし」としながらも現役選手としては「ほぼ無いです」と苦笑い。今後については「役割として野球界に貢献することが役割かなと思う」とし、地元・京都でのチーム作りや世界にむけて女子硬式野球の普及活動も視野に入れた。

 また、女子野球ワールドカップで3大会MVPを獲得した里綾実も構想外だったことを明かし「まだ現役でやりたい思いがあったので退団という形になりました」と明かした。今後については「来年ワールドカップもあるので、そこに選ばれてどうにか結果だせるように。野球できる環境を求めて動けるようにしたい」と、新天地でプレーを続けていくことを語った。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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