イチローの走塁技術に学ぶ― マーリンズ監督が走塁向上へ「助力求める」
走塁技術向上へ映像編集、イチローに「助力」求める
スプリングトレーニングで味方選手と交錯するアクシデントに見舞われたマーリンズ・イチロー外野手。右膝の上部と腰を負傷したものの、別メニュー調整を経て実戦復帰を果たし、ここまでオープン戦2試合に出場している。7日(日本時間8日)のカージナルス戦では「6番・ライト」でスタメン出場し、今季初めて実戦で守備をこなした。この日は2打数無安打で6回の守備で退いたが、ここまで順調な回復を見せている。
そんなベテラン外野手に関して、ドン・マッティングリー監督がその卓越した走塁技術を参考にしようとしているようだ。地元紙「マイアミ・ヘラルド」電子版が伝えている。
記事によると指揮官は現在、チームの走塁向上に取り込んでおり、「些細なことがワンアウトになり、1点を犠牲にし、試合を台無しにすることになる」とコメント。地元紙は指揮官がコーチングスタッフに走塁の映像を編集するよう指示したことを伝えており、「走塁の好例と悪例を見せる指導用のテープだ。彼(監督)は、際立ったベースランナーであるベテランのイチロー・スズキの助力を必要とし、コメントを求めた」とレポートしている。
ここまでメジャー現役最多の508盗塁を記録しているイチローは衰え知らずのスピードのみならず、走塁技術の高さにも定評がある。指揮官はその技術を選手たちにも伝えようとしているようだ。
「我々は走塁練習の時間を強調している。今年は少し違うアプローチを探っている。走塁の基本のようなものをビデオにまとめている。選手がこれまでやってこなかったものは何もない。ただ話をするだけでなく、視覚から学べる手助けになると考えている」。マッティングリー監督は記事の中でそう語っている。
マーリンズ幹部はイチローと契約する際にその姿勢や存在自体がチームに好影響を与えると予想していた。所属3年目を迎えた43歳はその期待通り、プレー面だけでなく“生きる教材”としてもチームに貢献しているようだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count