ドジャースの野望 田中将大とデビッド・プライスのダブル獲りで最強ローテーション

強力な先発陣を望むドジャースの球団社長

 今月11日からフロリダ州オーランドで開催されているメジャー30球団のGM会議に際して、ESPNがメジャー球団のGM、GM補佐、スカウト担当、マネジメント会社を対象に実施したインサイダーアンケートが全米で波紋を呼んでいることはすでにFull-Countでも掲載したが、投票結果で浮かび上がった話題の一つにロサンゼルス・ドジャースの野望がある。

 アンケート内容の1つに挙げられたのはタンパベイ・レイズのリーグ屈指の左腕、デビッド・プライス投手(28)の来季去就問題だ。レイズは今年のマーケットでプライスをトレードに出すのか、出すとすれば、どの球団が移籍先の本命か、というものだ。

 まずは回答者21人中17人が名手のトレードを予想。プライスは今季10勝8敗、防御率は3.33とまずまずの数字だったが、その前年の12年シーズンは大活躍。20勝5敗、防御率は2.56で最優秀防御率賞と最多勝を獲得し、サイ・ヤング賞も受賞していた。

 インサイダー情報によると、そのエースの移籍の可能性はかなり高そうだが、その移籍先はテキサス・レンジャーズが9票でトップ。ロサンゼルス・ドジャースが4票で2位。ワシントン・ナショナルズ、セントルイス・カージナルス、ロサンゼルス・エンジェルス、ヒューストン・アストロズがそれぞれ1票だった。

「タンパはどんなにいい選手でも高値なら売る傾向にある。たった1人の選手に強化費の4分の1をつぎ込むことはないだろう」とあるナ・リーグ球団のGM補佐は証言している。また、あるア・リーグのスカウトも「タンパの強化部がバジェット内で競争力を維持しようとしている。ここ5年ドラフトでうまい具合に成果を上げられない現状で、(プライス放出の)トレードでタレントを補充するのでは」と話しているという。

 移籍先の本命となったレンジャーズは今季の不振からの巻き返しのキーマンとしてプライスが適任で、さらにレイズが代替案として希望するであろうジュリクソン・プロファー遊撃手(20)ら有望な若手がいることも主な理由として挙げられた。

 トレードが実現すればダルビッシュ有投手(27)とのダブルエース体制は注目となるが、2位としてドジャースが入っている理由も実に壮大だ。ドジャースはその豊富な資金力からポスティングでの楽天イーグルスの田中将大投手(25)獲得の本命との声も挙がっているが、複数のインサイダーはプライスと田中のダブル獲りという衝撃的なシナリオを指摘する。

 彼らの示した根拠はスタン・カステン球団社長(61)の存在だ。カステン球団社長はアタランタ・ブレーブスの球団社長時代、グレッグ・マダックス、トム・グラビン、ジョン・スモルツという米球史にその名を残すスーパーエース3人を擁し、超強力な先発ローテーションで1995年にワールドシリーズを制覇した実績がある。

 今季ドジャーズのローテーションを守った16勝9敗の左腕クレイトン・カーショウ(25)、15勝4敗の右腕ザック・グレインキー(30)、14勝8敗の韓国人左腕、柳賢振(26)はすでに強力な先発ローテーション。カーショウとグレインキーはサイヤング賞受賞経験もある名投手だ。そこに田中とプライスというダブルエースが加われば驚愕の布陣だが、「(カステン社長なら)驚きはない」とリーグ関係者。そうなればリーグ最強の先発陣となることは間違いないだろう。来季ワールドシリーズ制覇を目論むカステン球団社長の今後の動きに注目が集まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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