侍、中国戦も捕手・小林! 前日は失敗続くバントに没頭「練習しないと」
小久保監督が3戦連続先発明言「小林でいきます」、武田とバッテリー
7日から始まった第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連勝し、1次リーグ突破に王手を掛けた野球日本代表「侍ジャパン」は9日、東京ドームで練習を行った。第1、2戦でバントを失敗した小林はフリー打撃は行わず、ひたすらマシンを相手にバント練習に励んだ。
キューバ戦、オーストラリア戦で「9番・捕手」で先発出場した小林は、2試合ともにフル出場し、女房役として投手陣をリードした。だが、どちらの試合でもバントに失敗。そのたびに客席からは大きなため息が漏れ、バントに成功すると大歓声が沸く、異様な雰囲気が生まれていた。
この日、練習に参加した野手陣、青木、田中、大野がフリー打撃で快音を響かせる中、小林はひたすらマシンに向かってバント練習を続けた。約20分、ひとしきりバント練習を終えると、報道陣の質問に答えた後、「バント練習はしないと」と言いながらベンチ裏に引き上げた。
そんなひたむきな姿を小久保監督もしっかり見ている。第3戦の先発捕手を聞かれると「小林でいきます」と明言。「強化試合も見ながら(レギュラー起用を)決めました」と、そのリードと強肩に大きな信頼を寄せる。
先発起用が続くことについて、素直に「感謝しています」と笑顔を見せる。「やっぱりいい投手ばかり。いいリードをして投手の良さを引き出せるようにしたい」。独特な緊張感と高揚感が漂うWBCの舞台は「疲れ方が普段と違う」と苦笑いするが、日本を代表する投手たちとバッテリーを組むのは、小林にとって、またとない成長のチャンスだ。
WBC期間中にどんな成長を遂げるのか。攻守にわたり試行錯誤を続ける27歳が侍ジャパンのカギを握る。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count