FA宣言の成瀬が一番人気!? 国内投手のFA事情は「左腕」がキーワード
複数の球団が獲得を模索する成瀬
今年も国内FA有資格者、海外FA有資格者、合計88人が公示され、ストーブリーグが始まった。当初の目玉、人気選手はオリックスで国内FAを獲得した金子千尋投手だったが、ポスティングでのメジャー挑戦を示唆しており、国内球団は撤退ムードになっている。即戦力右腕がほしかったソフトバンクはメッツをFAとなる松坂大輔投手の獲得に着手。松坂に対してはDeNAも獲得調査を行っている。今季メジャーで3勝止まりだったが、まだまだ活躍できると実力を評価している。
国内球団の金子の撤退ムードで、一気に1番人気に躍り出たのはロッテの成瀬善久。今年取得した権利について11月1日の記者会見で「やるからには上を目指したい。他球団の評価も聞いてみたいと思った」と公使することを表明した。
ローテーション投手、特に左腕はどの球団もほしい戦力。成瀬がもし宣言すれば、動き出すことを模索していた球団はヤクルト、DeNA、阪神、オリックスなどで、今回もっとも興味を持つ球団が多いと言われている。この日のFA宣言によって、今オフの国内移籍の最大の目玉に急浮上した。
ヤクルトは真中新監督になり、球団が積極的な補強を明言。その1番手に「成瀬」の名前を挙げており、誠意をもってアプローチしていくだろう。村中や石川といった左腕ローテ候補もいるが、安定した活躍ができていないため、軸になる左の先発を求めている。
横浜DeNAは地元・横浜高校の成瀬獲得に動かないわけにはいかない。オリックスは左の先発不足でドラフトで明大の山崎福也を獲得するなど、1人でも多く必要な状況。阪神は能見や岩田がいるが、力のある選手ならば、積極的に獲りに行く方針。プロ11年の経験や独特のフォームなど培った投球術を持つ成瀬はどの球団もほしい存在だ。
他にも人気のあるFA投手は、同じく左腕のDeNA・林と日本ハム・宮西のリリーフ投手たち。林、宮西ともに阪神とオリックスが獲得へ強い意欲を見せている。林に関しては行使せずに残留の可能性が大きいが、宮西の残留は微妙になっている。どこの球団もトライアウトでも模索するほど、左腕はほしい。今年の国内投手のFA事情は成瀬、林、宮西などの「左腕」がキーワードとなりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count