「メジャースカウトも驚いているはず」― 侍6連勝の裏で成長光った選手は?
開幕6連勝で決勝Rへ、激闘の中で成長遂げた選手たち
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は15日、2次ラウンド第3戦でイスラエルに8-3と大勝し、1次ラウンドから6戦全勝で決勝ラウンド進出を決めた。侍ジャパンは16日に決戦の地、ロサンゼルスに出発し、21日(日本時間22日)にサンディエゴで開催中のプールFを2位通過したチームと準決勝を戦う。
イスラエルに負ければ、プールE2位の座を懸けたプレーオフに臨まねばならなかった可能性があった日本だが、快勝をたぐり寄せた要因はどこにあるのか。第1回、第2回WBC優勝メンバーで、現在はルートインBCリーグ福島ホープスで選手兼監督を務める岩村明憲氏は「イスラエル戦の勝利は千賀(滉大・ソフトバンク)のおかげ」と、23歳右腕を絶賛する。
今大会では2試合で中継ぎ起用されていた千賀だが、決勝ラウンド進出を決める大一番で先発に抜擢された。試合後は「僕の代名詞でもあるフォークがよくなかった」と明かしたが、5回を1安打無失点に抑える快投を披露。目標にしていたという4回を1イニング上回る登板となった。
「日本は中継ぎで好投していた(4イニングを無失点)千賀、イスラエルは抑えを任されていた速球投手ザイドを先発に起用してきた。どちらも負けられない試合だから、相手打線を無失点に押さえ込める投手を使う勝負に出たわけだよね。両チームの願っていた通り、序盤は素晴らしい投手戦になった。
ああいう0-0の膠着状態が続く時は、打者はバントでも四球でもいいから、何とか塁に出るチャンスをうかがいたい。千賀はフォアボールやデッドボールで相手にチャンスを与えながらも、その後をしっかり抑えるいいピッチングができた。出塁されても流れがイスラエルに傾きそうな雰囲気はなかったよね。
それというのも、ピッチングの基本となる真っ直ぐが低めに力強く決まっていたから。彼のあの落差の大きいフォークやスライダーが効果を発揮するのも、基本は150キロを超える素晴らしいストレートがあるから。イスラエル戦ではフォークが抜けたり叩きつけたり、あんまり調子がよくなかったみたいだけど、後半はスライダーを増やしながら、うまくイスラエルの打者に(バットに)当てさせなかった。5回を無失点。上出来だよ」