左膝骨折のハム上沢、現在の状態は…来年6月18日までの復活誓う「一番遅くとも」
リハビリ中の支えになる愛娘の存在「そう思わせるために生まれてきてくれたのかな」
日本ハムの上沢直之投手が29日に札幌の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1000万円減の6000万円+出来高でサインした(金額は推定)。6月18日のDeNA戦で左膝蓋骨を骨折してリハビリ中の右腕は、遅くとも来年6月18日までの復活を誓っている。
初めて開幕投手を任され、エースの自覚を持って臨んだシーズン。13試合に先発してクオリティースタート(6回以上を投げて自責3以下)を8度記録するなど粘りの投球を見せ、好感触をつかみかけた矢先の事故だった。「調子が上がってきたからこそ、ケガで離脱は悔しかったです。あのケガは防ぎようがないし、仕方ないと思いましたけど、また試練にぶつかっている感じは正直ありますね」と率直な思いを打ち明けた。
支えになったのは、今月20日に誕生した愛娘の存在だ。用意したベビーベットやベビーカーを見る度にうれしさがこみ上げ、地味できついリハビリを続けるモチベーションになった。「運命? そういう風に考えるようになりましたね。奥さんの体調が悪い時に近くにいてあげられたのは良かったし、そう思わせるために生まれてきてくれたのかなとか。頑張らなきゃなと思いますね」と新米パパは相好を崩した。
現在は、ウエートトレーニングとネットスロー、20メートルほどの距離のキャッチボールなどを行っている。来週からジョギングを始め、キャンプまでにしっかり距離を取ったキャッチボールができる状態にしたい考えだ。「そうしたら、キャンプ中にピッチングにいけると思うので。そう考えたら、開幕には間に合わないと思うんですけど、そこまで遅くならないんじゃないかな」と見通しを語った。ただ「後戻りが一番良くない」と慎重にステップを踏むつもり。「一番遅くても、僕がケガした日には復活したいですね。6月18日までには」と忘れられないあの日を口にした。
年俸は1000万円ダウンしたが、出来高が付き、来季取り返せるように配慮してもらった内容だという。「今年、辛かった分、来年はたくさん笑えるのかなと期待して、リハビリに取り組んでいきたいと思います」と前向きに語った上沢。2桁勝利についても「これだけ大きいケガをしたら難しいと思いますけど、そこを目指すのは先発ピッチャーの宿命。ケガの状況はうんぬんにして、目指したいなというのは正直あります」と貪欲に挑む覚悟を示した。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)