イチローがジーターの最後を語る 人生で忘れられないシーンに
イチロー自身、「泣きそうになった」ジーターの本拠地最終戦
ヤンキースのイチロー外野手が、今季限りで現役引退となったデレク・ジーター内野手の本拠地ヤンキースタジアムでのラストゲームとなった9月25日のオリオールズ戦で感涙寸前となるほど感動したことを明かしている。今月10日に米国で放送予定のMLBネットワークのテレビ番組「スタジオ42 with ボブ・コスタス」のインタビューで語ったもので、この様子を米地元紙デイリー・ニューズが報じた。
英雄が英雄を語った。今季限りでヤンキースとの契約が満了となったイチローは10月30日にインタビューに応じ、超満員の本拠地でスタンディングオベーションを受けながらキャリアに幕を引いた僚友ジーターについて、友人の通訳ブラッド・レフトン氏を介してこう語っている。
「僕がジーターについてこれからの人生で忘れられないのはヤンキースタジアムでの最後のシーンですね。彼が初回に自分のポジションに就く。僕はライトにいたわけですが、すごく感動的な試合でした。ライトから彼を見ていて、すごく感動したわけです。僕自身も泣きそうなくらいだったのですが、彼も相当感動しているに違いないと思ったのですが、そう感じさせない。涙も見せなかった。感動しているのは間違いないんだけれど、それを感じさせない。僕は驚きました。どこまで自分の感情をコントロールする力があるんだ、どこまで自分自身を観客の人たちに見せないようにできるんだと」
イチローよりも1歳年下のジーターは開幕前に今季限りの引退を表明。ヤンキースの今シーズンはジーターの「引退ツアー」とも呼ばれ、各会場で大きな盛り上がりを見せた。そして本拠地の最終戦では、ヤンキースに数々のタイトルをもたらしてくれたキャプテンのラストに地元ファンから万雷の拍手を送った。
同僚の目からも感動的だったそれらのシーンで、自らの感情を表に出さなかったジーターのクールさ、そして感情をコントロールする能力に、イチローは大きな感銘を受けたようだ。
「あれは人生で忘れられませんね」
イチローはインタビューでそう振り返っている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count