ソフトバンクの日本一呼んだ「奇跡のどら焼き」 地元放送局の全勝神話

ソフトバンクの勝利の裏には縁起のいい“勝ち菓子”の存在【写真:荒川祐史】
ソフトバンクの勝利の裏には縁起のいい“勝ち菓子”の存在【写真:荒川祐史】

福岡の九州朝日放送が差し入れる「如水庵」の「どら焼き日本号」

 今季3年連続の日本一に輝いたソフトバンク。ペナントレースでは西武に逆転を許して2年連続の2位に終わったものの、昨季に続いてクライマックスシリーズ(CS)で“下克上”を果たして日本シリーズに進出。巨人との頂上決戦も怒涛の4連勝で制して頂点に立った。

 楽天とのCS1stステージ初戦に敗れてから、ファイナルステージ、そして日本シリーズと怒涛のポストシーズン10連勝。工藤公康監督の采配も次々に的中し、短期決戦の強さを存分に見せつけての日本一だった。

 この3年連続で日本一に立ったソフトバンクに、ちょっとした縁起のいい“勝ち菓子”があり、球団関係者らの間で話題となっていた。地元放送局が重要な試合の前に選手サロンに陣中見舞いとして差し入れてきた「勝利のどら焼き」だった。

 差し入れてきたのは地元・福岡の放送局・九州朝日放送(KBC)で、“勝ち菓子”は福岡市博多区に本店を置く和菓子屋「如水庵」の「どら焼き日本号」。これを陣中見舞いとして差し入れ初めた昨季のクライマックスシリーズから、差し入れた試合は昨季から怒涛の11連勝を飾っているという。

 今季のポストシーズンでも、CS1stステージ第2戦・3戦、CSファイナルS第1戦・第4戦、そして4連勝での日本一を決めた日本シリーズ第4戦と選手サロンに「如水庵」の「どら焼き日本号」を贈り、ピンポイントで勝利を飾った。

「日本号」とは天下三名槍の1つとされる名槍のこと。現在、福岡市博物館に所蔵されている槍から命名され「如水庵」の銘菓の1つとなっている。KBCの幹部が「ホークスにもこの槍のように日本一になってもらいたい」という想いを込めて、昨季のクライマックスシリーズ で初めて「どら焼き日本号」を差し入れたところ、その試合で快勝。その後も差し入れた試合で連勝を重ね、ついに今季は負けなしのまま、日本一になった。

 この「どら焼き日本号」の不敗神話は、ソフトバンクの球団幹部にも知れるところに。KBCスタッフによると「球団の方からも『験担ぎで毎試合どら焼きを差し入れて欲しい』と喜びの声をいただいています」と語っている。

 重要な試合でしか差し入れないという、この「勝ち菓子」。ソフトバンクの3年連続日本一の裏には、こんな「不敗神話」も隠されていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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