11年夏の甲子園V投手、JR東日本・吉永が現役引退 大手術からの復活、道半ばで

今季限りで現役引退するJR東日本・吉永健太朗投手(左)と鈴木貴弘捕手【写真:編集部】
今季限りで現役引退するJR東日本・吉永健太朗投手(左)と鈴木貴弘捕手【写真:編集部】

26歳、今後は社業に専念、日大三でもバッテリーを組んだJR東日本・鈴木も引退

 2011年夏の甲子園、日大三(西東京)で優勝投手となり、現在はJR東日本の吉永健太朗投手が今季限りで現役を引退することが分かった。今後は同社で社業に専念する見込み。

 吉永はシンカーを武器に高3夏に全国優勝。高山俊(現阪神)、横尾俊建(現日本ハム)ら強力打線を擁して「最強」との呼び声も高かった日大三のエースに君臨し、一躍、高校球界のスターになった。早大進学後も1年春から東京六大学リーグ戦で活躍し、いきなり日本一も達成。ドラフト1位候補と注目を浴びたが、以降はフォーム固めに苦しみ、大卒プロ入りを断念。社会人野球の名門・JR東日本に進んでいた。

 再起を期した社会人生活も苦難の道だった。打撃センスを買われ、2年目から野手転向。投手の練習も続けていたが、試合中に走塁で頭から滑り込んだ際に右肩を亜脱臼、靱帯も一部断裂する大怪我を負った。3年目の昨季は休部扱いとなり、リハビリ生活。医師からは「投手として復帰できる確率は30%」と宣告されたが、社業の合間を縫って懸命な努力を続け、復部を勝ち取った。今夏には社会人日本一を決める都市対抗野球大会でベンチ入り。しかし、登板機会はなく、完全復活は道半ばだった。

 DeNA・今永昇太、ソフトバンク・武田翔太、ヤクルト・原樹理らがいる93年生まれで、高校時代は「世代No.1投手」と謳われた男に26歳で訪れた野球人生の幕引き。今後は同社社員として、新しい人生を歩むことになる。また、日大三でバッテリーを組み、JR東日本でも吉永の復帰をバックアップしていた鈴木貴弘捕手もともに現役を退く。鈴木はJR東日本野球部のマネージャーとして、野球に携わっていく。

(Full-Count編集部)

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