連覇狙う広島&「神ってる」鈴木に“切り札” 躍進の鍵握るコアトレチェアとは
連覇狙う広島&「神ってる」鈴木に“切り札”
プロ野球はセパともに3月31日にペナントレースが開幕。昨年25年ぶりにセ・リーグ優勝を達成した広島東洋カープは開幕戦で阪神タイガースと本拠地で対戦した。昨シーズンは89勝52敗2分けで、2位・巨人と17.5ゲーム差をつけての圧勝。今季連覇を目指す広島は新たな取り組みに着手している。選手の腹筋や背筋など「体幹」と呼ばれる部分、特にインナーマッスルを強化するための“切り札”を極秘裏に導入したのだ。
「カープは伝統的に練習がきつい球団です。どうしても疲労が溜まってしまうこともあります。特に股関節周りに疲労から来る動きの悪さを感じることがあるんですが、『コアトレチェア』はまさにそういう部分に効いてくれます。自分ではなかなかケアの難しい筋肉の部分に働きかけて、動きを出してくれます」
こう語るのは野球日本代表「侍ジャパン」の一員として第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参戦していた鈴木誠也外野手だ。2012年のドラフト2位で入団した22歳はプロ4年目の昨季、才能を一気に開花させ、打率.335、29本塁打、95打点、16盗塁をマーク。加えて、ベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝き、走攻守においてハイレベルな活躍を見せた。緒方孝市監督がシーズン中にその大活躍を評した「神ってる」とのワードは、2016年の新語・流行語大賞の年間大賞に選出されたほどだ。
今季も飛躍が期待される鈴木が語る「コアトレチェア」とは何なのか――。
実はこれはパナソニック社が開発し、今年の2月25日に発売されたトレーニング家電のことで、今シーズンからキャンプ地の宿舎のみならず、本拠地マツダスタジアムにも導入している。WBC参戦のためにキャンプ途中でチームを一時離脱した鈴木も、キャンプ中は体幹強化に大いに活用したという。
打撃&守備で好影響期待、「バッティングへの効果は間違いなくある」
「このオフは侍ジャパンの他の代表選手を参考にしながら特に下半身を重点的に鍛えていました。トレーニングの前後、トレーニングの一環としてコアトレチェアを取り入れました。モードによってはかなりハードに筋肉に効きます。自分でも体幹を鍛えてきましたが、初めてコアトレチェアに座った時には驚きました」
鈴木の鍛え抜かれた身体にも、さらなる刺激を入れることになったコアトレチェア。チームはウォーミングアップ前のルーティーンの一環として導入したが、一方の鈴木はシーズン中も最大限活用するつもりだという。そこには怪我の予防という狙いもある。
「まずは試合前のウォーミングアップでコアトレチェアを使って、きちんと体のバランスを整えておくと怪我の予防にも繋がりそうですよね。それから試合後は、普段からクールダウンで体を元の状態に戻して、翌日に臨めるように努めていますが、体幹を整えてくれるコアトレチェアはそういう日々のケアにもフィットしてくれそうです」
さらに、昨季キャリアハイを記録した打撃面に恩恵をもたらすことを想定しており、「日本を代表するようないいバッターの皆さんを見ていても、やはりバッティングは頭が動かないこと、そして、下半身がしっかりしていることが重要です。コアトレチェアで体幹を整えながら鍛える。股関節周りから太ももにかけて効くモードに、じっくりと取り組めば、バッティングへの効果があると思います」。
また、守備面にもコアトレチェア導入による影響が期待できるという。
「皆さんが思っている以上に、外野はかなり不規則な打球が飛んできます。そういう打球に対応するのにはものすごく体幹を使うものです。守備の上で重視していることに送球があります。捕球体勢から素早く遠くにいい球を投げるにはただ肩がいいだけではなくて、体全体の色々な筋肉を使っているんですよ。コアトレチェアは自分でも気づかないような、そういう種類の筋肉に気づかせてくれるものでもあります」
鈴木が”切り札”とともに目指す野望とは…
このように多くの面で効果をもたらす可能性があるコアトレチェア。「神ってる」男はこの“切り札”と共に、実現したい野望があるという。「走・攻・守、三拍子揃った選手が魅力的だと思う。その3つともトップになれる成績を目指したい」。鈴木はそう力を込める。
この器具には実は「座ってできる体幹トレーニング」というテーマがある。鍛えることが難しいとされるインナーマッスルを、座るだけで正しく強化するという新たな発想だ。
鍛える部分は胸、背中、腰、もも、お尻などのアウターマッスルと呼ばれる表層筋と、鍛えることが困難なインナーマッスル。特にインナーマッスルの衰えは肥満や姿勢の悪化、腰痛や肩こりなど様々な症状を生む要因となる。
コアトレチェアを活用したトレーニングメニューは、トップアスリートと専属契約を結ぶプロトレーナーの木場克己氏が監修。さらにトレーニングは音声ガイダンスに従って行うことができ、パナソニックが独自開発したV字運動で身体を揺らして筋肉に負荷をかけたり、シートの自動変形により座り方を変化させることで鍛える筋肉を調整することも可能だ。
例えば、腹直筋を中心に刺激を入れる場合にはシートをフラットの状態とし、太もも、骨盤など下半身を引き締める場合には乗馬の鞍の形に変形させる。シートの傾斜に変化をつけることで、腹直筋や広背筋などにも刺激を入れることができる。
幅広い用途、多くのシーンで活躍が期待されるコアトレチェア
選べるトレーニングは6種類。美しい姿勢を取り戻す全身コアトレ、下腹部のたるみを引き締め、くびれを作るお腹・ウエストコース、骨盤周りを鍛える下腹・骨盤底筋コースがそれぞれ「強」「弱」に設定可能だ。そして、トレーニングで体幹を鍛えた後には、疲労回復効果の高いストレッチコースで怪我の予防に努めることもできる。
健康促進の効果も実証されている。40歳から50歳の男女7人がコアトレチェアによるトレーニングを1日ごとに15分を2回、3週間モニタリングを行った結果、最高でウエストがマイナス11.4センチ、下腹部がマイナス9.1センチ、ヒップがマイナス5.3センチ、体重がマイナス3.1キロと、様々な引き締め効果が確認されている(注・パナソニック社調べ。効果には個人差あり)。
四谷メディカルキューブ泌尿科の嘉村康邦医師も医学的な側面からの効果を証言。「チェアの揺れでバランスが崩れると、身体が無意識に反射して骨盤底筋を締めようとする。これがとても効果的なトレーニングになっています」と説明している。
走・攻・守でトップを目指す鈴木をはじめ多くのトップアスリートが活用する一方、一般の人たちの健康促進にも効果が期待できるコアトレチェア。用途の幅広い新製品はプロスポーツの世界から一般生活まで多くのシーンで活躍しそうだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count