イチロー氏が“偉大”である理由…米メディアが「ニグロリーグ」のエピソード紹介
ニグロリーグ博物館を訪問、アーロン氏らの写真に見入り多額の寄付を残した
米メディア「ジ・アスレチック」は、“偉大な野球選手”の100位にマリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏を選出した。記事ではイチロー氏がニグロリーグに関心を持っていたとし、そのエピソードを紹介している。
ニグロリーグは、かつてMLBでアフリカ系アメリカ人選手がプレーしていなかった時代に存在した野球リーグ。1947年にジャッキー・ロビンソン氏がメジャーリーガーになると、多くの選手をメジャーに送り込んだ。そんなニグロリーグで選手、監督、スポークスマンとして活躍したバック・オニール氏が2006年に亡くなった際に、ニグロリーグ博物館に多くの花束が送られたという。
記事では、最初は花束を誰が送ったのかは誰も知らなかったが、その後にイチロー氏からだと判明したと紹介。イチロー氏はオニール氏に会ったことはなく、彼について話したことを誰も聞いたことはなかったが、「しかし明らかに彼はバック(・オニール氏)を知っていて、彼を尊敬していたようだ。イチローは彼に何か共通点を感じたのかもしれない」と紹介している。
イチロー氏がその後に博物館を訪れ、特にニグロリーグが日本を訪れたときのセクションに興味を示したことにも言及。また、メジャー通算755本塁打、歴代最多の2297打点を記録したハンク・アーロン氏が、初めて家を離れた際の緊張した面持ちの表情の写真を見つめていたという。さらに、ときに人間以下の扱いを受け、全く注目を浴びず、無視されてきた男たちの顔に見入っていたイチロー氏は、静かに、選手としては最高額となる寄付を残したことを明かしている。
日本人野手初のメジャーリーガーとなっただけでなく、メジャー通算3089安打、日米通算4367安打など数々の大記録を残したイチロー氏。同じく“パイオニア”となったニグロリーグの選手たちに感じるものがあったのだろうか。
(Full-Count編集部)