ソフトB工藤監督、完敗に怒り咬み殺す「何もないよ、今日は」
長期ロードの末の札幌からの移動試合にも「そこが理由にはならない」
14日、ソフトバンクはオリックスの前に0-9と完敗。先発の中田賢一は初回に4失点、打線も金子千尋に2安打完封を許した。試合後の工藤公康監督は憮然とした表情で「何もないよ、今日は」と切り出した。
3勝6敗で長期ロードを終え、開幕カード以来のホームに戻っても悪い流れは断ち切れなかった。中5日で先発した中田は、簡単に2つのアウトを取りながら1つの死球をきっかけに4失点。3回にも2死からの本塁打で1点を失った。
中田のピッチングについて聞かれた工藤監督は「ん~」としばらく沈黙した後に「本人に聞いて。本人が一番わかるでしょ」と突き放すように言葉を絞り出した。それでも、中田の次の登板に期待することを聞かれて、指揮官はこう答えた。
「今は打線がそんなに活発じゃないから、先取点が中盤、終盤に重くのしかかってくる。そこを最少失点でいってもらえるようにしてほしい。中盤までに1点ないし2点という展開であれば、打線も『何とか』というところはある。前半で5点となると、今は戻そうと思っても難しい」
仙台、所沢、札幌と続いた長期ロードに加え、この日は札幌からの移動便に遅れが生じるなど、選手のコンディションは決していいとは言えないが、工藤監督は「そこが理由にはならない」とキッパリと否定した。
「トータルすれば、みんな状況は一緒。うちだけがしんどいわけじゃない。確かにしんどいスケジュールであることは間違いないけど、これは決まっていることだし、それに備えなきゃいけない」
開幕3連勝を飾りながらも、5カード目の初戦で借金生活に突入した。和田毅に続いて武田翔太も登録を抹消されるなど、先発陣の苦しい状況はまだまだ続くだろう。1日も早い打線の復調が望まれる。
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藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura