西武ドラ1今井、2軍でプロ初先発 無死満塁も無失点「楽しかったのが一番」
ストレート主体に21球で1安打1四球1死球2三振、今後も「じっくりと」
西武のドラフト1位投手・今井達也が、15日のイースタン・リーグ巨人戦でプロ入り後、初の先発マウンドに上がった。「昨日の時点で、捕手の中田(祥多)さんと『まっすぐに一番自信があるのだから、その球を多めで行こう』と2人で話していました」との言葉通り、ストレートを主体に21球。先頭の柿澤貴裕に右翼前安打、続く藤村大介、片岡治大にはそれぞれ死球、四球。いきなり無死満塁のピンチを招いたが、4番クルーズを三塁ゴロでホーム封殺に打ち取ると、堂上剛裕、北篤を連続空振り三振に仕留め、ホームを踏ませなかった。
予定通りの1回を打者6人1安打1四球1死球2三振、無失点で終え、「楽しかった、というのが一番の感想です。ずっとテレビで見ていた選手を相手に投げるのは、さすがに少し緊張しました。でも、球を投げていくごとに慣れてきました」と笑顔。一方で、今後への課題と抱負を冷静に語った。
「先頭打者は出したくなかったというのと、初回から四死球が多くなってしまったことが課題です。本来であれば、ああいう形が失点につながると思うので、自分から崩れるピッチングはしてはいけないと思いました。それに、先輩方がしっかりと守ってくださっているので、1人で投げずに、もっと打たせて取るピッチングを心掛けたい。少ない球数で交代して、攻撃に良いリズムを持ってこられるような投手になれるよう、しっかりと周りを見てピッチングをしたいと思います」
2010年の菊池雄星以来となる高卒ルーキーのA班キャンプスタートだったが、早々に右肩を故障し、2軍での調整が続いていた。潮崎哲也2軍監督はじめ、投手コーチ陣からも「まだプロに入って2?3か月。焦らずにじっくりやればいい」との言葉をもらい、一歩一歩、治療と調整を続けてきた。
今後についても「本当に、じっくりとやって、その日の自分の状態、風向きや天候、試合展開などに応じて、変化球中心でいくのか、直球で押すのかを投げ分けられるぐらいの力をつけていきたいです」と言う。“自分らしい”投球スタイルの確立を一番のテーマに、甲子園優勝投手がいよいよ本格的にプロの第一歩を歩み出した。
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上岡真里江●文 text by Marie Kamioka