イチロー“凱旋”を米紙が特集 元盟友「メジャーを自分に合わせた稀な選手」

「彼が打つファウルボールで何度も死にかけたよ」

 今では日米を問わず、野球界全体を代表する“レジェンド”となったマーリンズのイチロー外野手。43歳、メジャー最年長野手としてプレーし、ファンを魅了し続ける。現在も更新中のメジャー通算安打数(3032安打)だが、すべてはメジャー移籍1年目の2001年マリナーズからスタートしている。地元紙「シアトル・タイムス」電子版では、17日(日本時間18日)から始まるマーリンズ3連戦での“イチロー凱旋”に先駆け、特集記事を掲載。イチロー加入1年目でもあり、マリナーズが116勝で地区優勝した2001年のチームメイトらにインタビューしている。

「三塁側ベンチの時は彼が打つファウルボールで何度も死にかけたよ」と笑いながら、当時のエピソードを楽しげに振り返るのは、現在フィリーズでブルペンコーチを務めるジョン・マクラーレン氏だ。3月のWBCでは中国代表監督を務めた同氏は、当時マリナーズのピネラ監督の下でベンチコーチを務めていた。イチローが今でも慕う恩師でもある。

 なぜイチローはそんなに多くのファウルを三塁側ベンチに打ち込んだのか。記事内でマクラーレン氏が明かしたところによれば、それまで高速シンカーを見たことがなかったイチローは、メジャー流のピッチングに慣れるため、結果はどうであれ、シンカーをファウルし続け、対戦投手にシンカーを投げさせたのだという。

 数多くのシンカーをファウルにし、徐々にヒットへ変えていったイチローは、その年に両リーグ最多242安打を放ち、見事新人王とMVPを同時受賞した。独特の打った瞬間に走り出すバッティングフォームが大きな話題となった。ゴロに打ち取ったと思っても俊足を生かして内野安打としたり、守備の間隙を突く巧みなバッティング技術を見せたりしながら積み上げた242安打。マクラーレン氏は当時の様子を振り返り、「そっちで守ってるの? じゃ、僕はこっちに打つわ。そんな感じだったよ」と、振り返ったという。

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