ロッテ石川が抹消へ 昨年の最優秀防御率右腕が3試合で7.62「申し訳ない」
5回6失点で開幕3連敗、デスパイネに被弾で伊東監督「ボールが完全に死んでいた」
昨年の防御率1位投手が緊急事態に陥った。ロッテ伊東監督は、18日のソフトバンク戦後、5回6失点で開幕から3連敗の石川歩投手に関し「1回(ローテーションから)外します。自信なさげに投げている」と登録抹消を明らかにした。石川も「点を取られた後に逆転してもらい、その後も再びリードしてくれたのに、申し訳ないです。変化球でストライクがとれず、勝負できなかった」と話した。
初回2死二塁で内川と勝負して簡単に失点した。その裏、打線が千賀から福浦の遊ゴロと井上の三遊間適時打で逆転したものの、3回にまた内川の犠飛で同点。その裏に福浦がベテランの意地で通算2000本安打にあと67本に迫る今季初安打。これがチーム3点目のタイムリーとバックも必死で援護したが、石川が5回に再びつかまった。
今宮に同点中前打を浴び、なお2死二塁で内川を敬遠気味に歩かせながら、昨年まで3年間同僚だったデスパイネに左翼中段へ2試合連続となる2号3ランを被弾。伊東監督はデスパイネ対策にはずっと自信を見せており、実際に初回は140キロの速球で空振り三振、2打席目はカーブで三塁ゴロとバッティングをさせていなかった。しかし、石川は肝心な場面で真ん中から内角より、デスパイネが好きな高めに139キロの半速球を投げ込んでしまい、「(あの)ボールは完全に死んでました」と指揮官を嘆かせた。
昨年、2.16で最優秀防御率のタイトルを獲得したが、今季3試合で7.62。「コントロールしきれない。ストレートもずっとひっかけ気味」と石川。2回、甲斐の空振り三振は152キロと球速は問題ないが、制球が本来とほど遠い。本人は「(2軍調整は)悲観することではない。試合に投げて感覚を取り戻すしかない」と話すが、ロッテファンのショックは計り知れないだろう。
【了】
細野能功●文 text by Yoshinori Hosono