「絶対に勝負と思っていた」 広島會澤、捕手ならではの読みで初サヨナラ打
途中出場で殊勲打、投手陣の踏ん張りに「なんとかしたい」
広島の會澤翼が18日のDeNA戦で8回から途中出場し、9回にサヨナラヒットを放った。プロ初となる殊勲打となったが、會澤は「一番は(野村)祐輔が頑張っていたこと。薮田と(中田)廉も頑張っていたのでなんとかしたい、その気持ちが強かった」と、9回まで9安打を浴びながら3失点に抑えた投手陣をねぎらった。
1点ビハインドの9回、3連打で同点に追いついた後、犠打で1死二、三塁となった場面でセンター前にサヨナラ打を放った。會澤は「力まないようにだけ考えていた。前進守備だったし、バットに当たれば何かが起こると思った。2ストライクになったので、開き直ったのがよかった」と喜んだ。
一塁が空いており、満塁策も考えられたが「次に(代打で)天谷さんが用意していたし、勝負に来ると思っていた。あの場面では、キャッチャー心理としては三振が欲しいところ。絶対に勝負してくると思っていた」と、捕手ならではの読みが当たった。
今季も石原との併用となっている「試合に出ていない時でも、ゲームに入っていかないといけない。石原さんを見ながら、出番がくればリードできるように準備している」という會澤だが、12試合で打率は2割台前半と、持ち味の打撃で精彩を欠いていた。「悔しい思いをしていた」という正捕手候補のバットが輝きを放つのはこれからだ。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo