38歳の鷹・和田、53歳現役のカズに感じる凄さとは? 「準備というのは凄く大変」
「年齢が上がれば上がるほど、その準備はしんどくなっていく。それが1番凄い」
12日に長崎市内での自主トレを報道陣に公開したソフトバンクの和田毅投手。若い笠谷俊介投手や渡辺健史投手、ヤクルトの山田大樹投手とともにキャッチボールや坂道ダッシュなどで汗を流し、キャンプインに向けて体をいじめた。
この日の自主トレでも16歳下の笠谷や渡辺と全く同じメニューを消化したベテランの和田。38歳になってもその体力、練習量は健在で150メートルの坂道ダッシュも平然と5本を走り抜いた。22歳の笠谷が「全てがバケモノです。体力お化けです」と思わず口にしてしまうほどだった。
その練習公開後、報道陣に対応している際に、52歳で契約を更新した横浜FCの三浦知良選手の話題に。53歳で現役を続けることそのものが驚きだが、球界でベテランと言われる年齢となった和田は、意外なところにその凄さを見出していた。
「毎年この時期に準備をして、11月から準備を始めますけど、オフ中に準備をするというのは凄く大変なんです。来年も1年間やるぞ、という覚悟ですね。やるからには適当にはやれないですし、自分の限界を超えられるように、そのためにやるので。53歳になるまでそれを続けてこられている精神力、メンタル力がまず凄いです」
和田が凄さを口にしたのはシーズンに向けての準備を何十年と続けられる力、そしてそれを可能にしている精神力の強さだった。シーズンを戦い抜くことはもちろん大変だが、それ以上にシーズンを戦えるだけの体を作り上げる、このオフシーズンの準備が大変なのだという。
「準備を53歳まで続けられているカズさん、工藤さんも47歳、山本昌さんは50歳までやられましたけど、毎年毎年苦しい、辛い思いを40何歳、50歳までやられてたというのが凄いというか、尊敬の念しかないです」
「結果を出すことも大事なんですけど、準備が大事だと思いますし、その準備を適当にやったのでは、そこまでの年齢まではできない。そこまでやれる準備をされていたから、その年齢までできていた。しかも年齢が上がれば上がるほど、その準備はしんどくなっていく。それが1番凄いな、と思います。毎年『よしやるぞ!』と覚悟を決めるのには凄くパワーがいるので、自分はそう考えますね」
キャンプ中には39歳を迎える和田。同世代の”松坂世代”も減りゆく中で「まだまだ第一線でやるという目標がある」という。シーズン前の準備の大変さを乗り越えて、まだまだ第一線でプレーしてもらいたいものだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)