米ESPNが業績不振で約100人を大量解雇 17年務めた名物記者も対象に
メジャー取材でおなじみスターク記者、元レッズGMボーデン氏も
米スポーツ専門テレビ局「ESPN」が26日(日本時間27日)、看板番組「スポーツセンター」でもおなじみのリポーターたちを含む約100人を大量解雇した。複数の米メディアが伝えている。米有力紙「ニューヨーク・タイムス」によると、近年の業績不振が原因だという。
アメリカのスポーツ界を代表する巨大メディアとして君臨してきたESPNが大量解雇を断行した。解雇された約100人の中には、同局で17年も務めたベテラン記者のジェイソン・スターク氏や元レッズGMのジム・ボーデン氏、元NBA選手のレン・エルモア氏、元NFL選手のトレント・ディルファー氏ら、看板番組「スポーツセンター」で、おなじみの面々も含まれていた。
記事によれば、近年ESPNは1000万人以上の視聴者減という現実に加え、メジャースポーツの放映権料の高騰で業績が悪化していたという。2011年にはNFLと8年152億ドル(約1兆6900億円)、NBAとは9年120億ドル(約1兆3346億円)、カレッジフットボールのプレーオフには73億ドル(約8119億円)と放映契約を結んでいた。
ESPNはディズニー傘下の企業だが、直近の四半期報告でディズニーのケーブルネットワーク部門は前年同期に比べて収益が11パーセント減少していたそうだ。ディズニーは、主な原因としてESPNが高額の放映権料を支払いながら広告収入を伸ばせなかったことだと公言しているという。
ESPNのジョン・スキッパー社長は、社員に当てた手紙の中で、これまでESPNの顔になっていた人物を回顧することは「難しい決断だった」としながらも、「多様性と価値を上げるために大々的な変化が必要だった」とし、リポーターや記者を入れ替えることでイメージチェンジを図る意図を伺わせているそうだ。
今回の大量解雇は米スポーツビジネス界に大きな衝撃を与えたようで、ツイッターでは「#ESPNLayoff」というハッシュタグがトレンドに入ったほど。メディア大国アメリカも新時代への移行に試行錯誤を繰り返しているようだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count