10連敗止めたハム中田、28日から本拠地「ファンと1つになって戦いたい」

右脚負傷で戦列離脱「しょうもない怪我で迷惑をかけて、反省している」

 これぞ、4番の働きだった。日本ハムの中田翔内野手がチームの連敗を10で止める起死回生のアーチを放った。27日のソフトバンク戦。久々の勝利をチームにもたらした主砲はヒーローインタビューで「情けない試合をしていまっていて申し訳なかった。気持ちを引き締め直して、ここから巻き返していきたい」と反攻を誓った。

 リードを奪いながらも、同点に追いつかれてもつれ込んだ延長戦。10回だった。2死から掴んだ一、二塁のチャンス。「僕自身バッティングを見てもらった通りなので、とにかく次につなげようと、試合を決められるようなバッティングは出来ないと決めつけていた」と入った打席に最高の結果が待っていた。

 1ボール1ストライクからの3球目。森の投じたカーブを捉えた。「打った瞬間は入るかどうか分からなかった。いってくれと願ってました」。祈るように見つめた打球は、左翼ホームランテラス席に消えた。ようやく飛び出した今季初アーチは決勝の3ランだった。

「本当に苦しい日々が続いていた中で、ファンの人にも嫌な思いをさせていた」という中田。自身も右脚付け根の負傷で4月13日に登録を抹消。その翌日から悪夢の連敗が始まった。8試合に欠場しており「しょうもない怪我で迷惑をかけて、反省している。これから信頼を取り返していきたい」と責任を感じ、その思いをバットに込めた。

 この日は7回先頭での打席では、そこまで無安打に抑え込まれていたバンデンハークからチーム初安打となる二塁打を放ち、レアードの先制2ランを呼んだ。これで復帰後初となるマルチ安打。「チームにとって大きな1試合。札幌に帰って、ファンと1つになって戦いたい」。苦しみから抜け出した日本ハム。ここからの反攻には、主砲・中田のバットが不可欠だ。
 
【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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