田中将大が達成した「マダックス」とは? 米メディアが稀少な記録を特集
通算355勝の殿堂投手にちなみ100球未満の完封は「マダックス」と命名
27日(日本時間28日)に敵地でのレッドソックス左腕セールとの投げ合いに勝ち、メジャー2度目の完封勝利を遂げたヤンキース田中将大投手。9回を投げて3安打無四球3奪三振で無失点とし、要した球数は97球だけという圧倒的なピッチングで相手打線を封じ込めた。MLB公式動画サイト「Cut4」では、この日の田中の投球を面白いデータを添えて紹介している。
投手の健康を考えた球数制限や、先発と中継ぎの分業化が当たり前となっている近頃では、先発投手が9回を投げきることが珍しい。無失点に抑える完封ともなれば尚更だ。記事によれば、昨季メジャー全体で記録された完封勝利は、わずか36試合。そのうち1試合は5回コールドだったという。今季は、田中が達成する前の4月26日現在、完封が記録されたのは3試合だけだったそうだ。
さらに、田中の完封劇を稀少なものとしているのは、97球という球数の少なさだ。実はアメリカでは、100球未満で達成した完封勝利を「マダックス」と呼んでいる。マダックスと言えば、ご存じ通算355勝を挙げた殿堂投手グレッグ・マダックス。現役時代に13度も100球未満の完封劇を演じた右腕にちなみ、「マダックス」と呼んでいる。記事によれば、昨季あった36試合の完封のうち「マダックス」は3試合だけだったそうだ。
田中は27日レッドソックス戦で、メジャーでは2017年初「マダックス」を達成。前回完封勝利を収めた2014年5月14日のメッツ戦は、4安打無四球8奪三振と素晴らしい内容ながら118球を要したため、田中自身にとっても「初マダックス」となったわけだ。
記事では最後に「あと13回こういった完封を成し遂げれば“タナカ”と呼ばれるだろう」と締めくくっているが、マダックスが42歳まで現役を続けたことを考えれば、現在28歳の田中にはあと14年あることになる。14年で「マダックス」超えを果たせるのか、是非チャレンジしてほしいものだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count