往年のドジャース戦士が語るサイン盗み騒動 「世界一を剥奪していいけど…」
ケン・ランドロー氏は81年のドジャース世界一に貢献した「もう2度と同じことが起きないように」
ドジャースの春を告げる毎年恒例の人気イベント「コミュニティツアー(Dodgers love LA Community Tour)」が20日(日本時間21日)、ロサンゼルスでスタート。マーティン・ルーサー・キング記念日にはボランティア1000人が市内のオービル・ライト中学校に集まり、校舎やロッカーのペンキ塗り、ベンチ作り、庭造りなどの奉仕活動を行った。ドジャースからは1981年のワールドシリーズ制覇に貢献したOBのケン・ランドロー元外野手、95年に近鉄でもプレーしたデニス・パウエル元投手が参加してペンキ塗りに汗を流した。
65歳のランドローは77年にエンゼルスでメジャーデビューし、ドジャースでは81年から87年までプレーした。メジャー通算1099安打、91本塁打、479打点、145盗塁をマーク。ツインズ時代の1980年に球団記録の31試合連続安打を記録した中堅手は1981年ワールドシリーズ第6戦にヤンキース・ワトソンの中飛をキャッチして最後のアウトを取った。80年にオールスター戦に選出された往年のドジャース戦士に、アストロズのサイン盗み騒動など話を聞いた。
――マーティン・ルーサー・キング記念日は。
「この日は公民権運動のこともあってアメリカにはとても大切な日だよ。MLK(マーティン・ルーサー・キング)が活動していた60年代を覚えている。今ある現実に繋げるのはとても辛かったからね。MLKには夢があって、その夢がちょっとずつ叶っているように見えるよ。彼の夢は全人種が平等に一緒になることを願っていた」
――40年代にはドジャースには黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソン氏がプレーしていた。
「ジャッキーやMLKが活動していた頃よりも変化が起きていて、そうやってどんどん変えていきたい。だから世界がちょっとずつだけど団結し始めている。特にアメリカにはたくさんの人種がいるだろう。そして色々な国へと旅行している、団結力を強めるためにもね」
――さて、今の話題はアストロズのサイン盗み騒動が話題となっている。
「(野球界が)激しい競争なのは分かっている。フィールド上でサインを見たりすることはあるけどすごく微妙なとこだよね。でもAI(人工知能)を使ったりとかは一切なかっただろう。競うのであれば、フィールドにいる時の実力で競えばいいのに、技術を使うんではなくてね。今はAIを使って家や車に入ったりもできるし、それはちょっとやりすぎだと思う部分もある。特に野球に関してはね」
――2017年、2018年はドジャースにチャンピオンシップトロフィーをという声もある。
「2017年と2018年の分のチャンピオンシップは剥奪してもいいけど、相手チームに渡すのも違うんではないかな。だからチャンピオンはいないことでいいんじゃないかな」
――この問題はどのように進むのか。
「出来ることはすべてやっていると思うよ。もう2度と同じことが起きないようにすることで前を向くことだね。野球は今でもアメリカのパスタイム(娯楽)だからね」
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)