米球界揺るがすサイン盗み 敏腕代理人ボラス氏が選手擁護「チームがしたこと」
「球団がルールに違反するシステムを設置するなんて思う?」
米球界を揺るがしているアストロズによるサイン盗み問題。アストロズのヒンチ監督、レッドソックスのコーラ監督、そしてメッツのベルトラン監督と3人に指揮官が解任された一方で、選手に対して一切の処分がない。
さらにアストロズの選手たちが、このサイン盗みに関して沈黙を続けていることにも他球団の選手やメディアから批判的な声が上がっている。そんな中で数多くの大物選手をクライアントに抱える代理人のスコット・ボラス氏が、選手たちは謝罪する必要はないと米メディアに語っている。
ホセ・アルトゥーべ内野手や今オフ、ヤンキースへと移籍したゲリット・コール投手ら当時アストロズに在籍した選手もクライアントにいるボラス氏。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は同氏のコメントを紹介。その中で、選手の立場に立ってこのサイン盗みについて語っている。
「球団が僕にするように言っていたことをしていただけだ。設置されていたんだ。僕たちの目の前にあった。コーチ、監督はその情報を使うことを促したよ。選手個人がしたことじゃない。チームがしたことなんだ。本拠地に設置されていたんだよ。権限ある人によって」
自らが選手の立場として語ったボラス氏。これによると、選手たちはチームの指示のもとで行われたもので、自分たちの意思ではなかったという言い分のよう。球団が機材を設置し、コーチ、監督がサイン盗みをはたらくように促したとしている。
さらにボラス氏は「選手たちは最新のルールを知らされていなかった。知らされていなかったルールに違反したとすることは間違っている。球団がMLBのルールに違反するシステムを設置するなんて選手が思うだろうか? それがファンが最初に聞くべき質問だ」と語っており、選手たちは“サイン盗み”がルールに違反しているとは知らなかったと主張している。
既に3人の監督が解任になり、MLBからの処分も科されているサイン盗み問題。選手には処分は下されない模様だが、果たしてこの“知らぬ存ぜぬ”でファンら周囲は納得するのだろうか…。
(Full-Count編集部)