ハム高梨が自己最多136球完封 「見えない力」で9回最後の打者にも146キロ

自身2度目の完封「きょうの展開なら志願してでもと思っていた」

 日本ハムの高梨裕稔投手が2日、ロッテ戦(札幌ドーム)で今季初の完封勝利を挙げた。許した安打はわずか3本。昨年8月13日楽天戦以来となる自身2度目の完封劇は、自己最多の136球の熱投だった。

 言われなければ、志願するつもりだった。「最後までと言われたので気持ちを切らさずにいました。自分でもその気でした。きょうの展開なら志願してでもと思っていました」。お立ち台では「きつかったです」と言ってファンを笑わせたが、昨季新人王の胸の内は熱かった。6連戦の初戦を一人で投げ抜き、リリーフ陣の負担を軽減してみせた。

 尻上がりに調子を上げた。序盤こそ四球で歩かせる場面もあったが、点差が開いた後半はテンポよく投げ込んだ。ここまで1勝2敗と納得いく結果を残せないでいたが「テークバックを少し変えて、思うような真っすぐに近づいている」と手応えをつかんだ。

 9回最後の打者に投げた直球の球速は146キロをマークした。「一人一人全力でと初回から飛ばしていましたが、見えない力があるんだなと思いました。まだまだいける感じでした」。新たな境地を見出したことも大きな収穫だった。

「5月の一発目なので、勢いのあるピッチングをしたいと思っていました。まさか完封とは思っていませんでしたが、最高の結果になって良かったです」。自身にとっても、チームにとっても大きなは1勝は、5月反攻のノロシになった。

【了】

石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa

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