サイン盗みア軍は「ゴタゴタ」 地区3連覇中も苦戦か「大きな批判を浴びる」
サイン盗みによる“ブーイング”に剛腕コールら流出、同地区のエンゼルスなどは戦力アップ
米球界を大きく揺るがしているアストロズのサイン盗み問題。2017年から電子機器を用いたサイン盗みを行っていたとしてAJ・ヒンチ監督とジェフ・ルーノーGMを解任。さらに当時ベンチコーチだったレッドソックスのアレックス・コーラ監督、選手だったメッツのカルロス・ベルトラン監督も解任され、サイン盗みは大スキャンダルとなった。米スポーツ局「ESPN」は、地区4連覇、3年ぶりのワールドシリーズ制覇がかかった今季について、「アストロズはサイン盗みのゴタゴタで、ア・リーグ西地区でうまくいかないかもしれない」と苦戦を予想している。
常勝アストロズの今季の戦いは想像するだけで厳しい戦いになりそうだ。すでにドジャースファンが4月3日に行われるエンゼルス-アストロズ戦で大量にチケットを購入し、抗議行動を計画していることが伝えられているが、同局は米各地でアストロズの“ブーイング”が起きると予測。「どこでプレーしようとも、今季は大きな非難を浴びることになるだろう。その中には、あまりに酷くてフェアではないと感じられるようなものもあるだろう。だが、それが、選手たちに逆にパワーを与えることも考えられる。しかし、そのことが、ネガティブに影響する選手もいるかもしれない」と指摘した。
過去には通算2724安打で2011年に米殿堂入りしたロベルト・アロマーが、オリオールズ時代の96年9月27日のブルージェイズ戦で判定に憤り、球審へツバを吐いた。その行動は米国全土から批判の的になり、その後に同年の成績は伸び悩んだ。記事ではアロマーが野球をする喜びすら失ったように見えたとも伝え、「それと同じようなことが、アストロズの選手にも起こるかもしれないと考えている。そのことが原因で、ア・リーグ西地区で、ほぼ独占状態になっていたこのチームが弱くなってしまうことがあるかもしれない」と予測した。
ただでさえ、昨季20勝を挙げた剛腕ゲリット・コールがFAでヤンキースへ移籍し、救援陣を支えた右腕ハリスもチームを去って戦力ダウンした。一方で、同地区で昨季2位だったアスレチックスは戦力を維持し、レンジャースは2度のサイ・ヤング賞のクルーバーらで先発陣を補強。大谷翔平投手が所属するエンゼルスについては「ローテーションを強化する方法を探さないといけないが、少なくともショウヘイ・オオタニが、マウンドに戻る。また、アンソニー・レンドンの加入したラインナップで、その弱点をカバーすることが出来るかもしれない。とにかくエンゼルスは多く得点するだろう」と予想されている。
同局は「アストロズは地区3連覇した。しかし、他の球団が向上したこのディビジョンで、トップに居続けるためには、サイン盗みのフラストレーションをものすごく大きなパワーに変える必要がある」とした。昨季まで常勝軍団だったアストロズの戦いぶりに注目が集まっている。
(Full-Count編集部)