同僚、従兄弟、日米野球… ヤクルト新外国人エスコバーと日本を繋ぐ縁

今季からヤクルトに加入したアルシデス・エスコバー【写真:津高良和】
今季からヤクルトに加入したアルシデス・エスコバー【写真:津高良和】

DeNAエスコバーとは従兄弟、2014年の日米野球でプレー

 ヤクルトに今季、強力な助っ人が加わった。ベネズエラ出身の遊撃手、アルシデス・エスコバーだ。11年のメジャー経験を持つベテランは守備の名手として定評があり、2014年に行われた日米野球にはMLBオールスターの一員として参加。翌2015年には正遊撃手としてロイヤルズをワールドシリーズ制覇に導き、ゴールドグラブ賞も受賞している。

「まさか日本でチームメートになるとは思わなかったよね」と笑顔を見せるのは、2014年にともにロイヤルズで戦った青木宣親だ。それから6年の時を経て、本拠地をカンザスシティーから東京に移して、2人は再び同じユニホームを身にまとっている。

 エスコバーが日本に新天地を求めようと考え始めたのは、昨年のことだったという。2008年にブルワーズでメジャーデビューして以来、11年連続でメジャーに出場し続けたが、ホワイトソックスに移籍した昨季は傘下3Aでシーズンを送り、一度もメジャーに昇格できなかった。行き詰まった感覚があったのだろう。「代理人に日本でプレーしてみたいと話したら、ヤクルトを見つけてきてくれたんだ」と明かす。

 ただ、メジャーでは「ノリ」の愛称で親しまれた青木がヤクルトでプレーしていると知ったのは、その後のことだった。「ノリがいたことが、ヤクルトと契約した理由の1つですか?」と問われると、途端に破顔。「いや、ヤクルトに決まったと聞いた後、ノリがいると聞いて本当にうれしかった。また同じチームになれてハッピーだよ」と、うれしそうに話した。

 日本になじみはある。DeNAでプレーするエドウィン・エスコバーとは従兄弟の関係で、オフになると地元で「ロス・プリモス」というソフトボールチームを結成し、プレーする仲だ。日米野球で来日した際も、京都観光を楽しんだり、東京を散策したり、いい思い出が残っている。

 新天地で迎えたキャンプは、第2クールへ突入した。6日のシートノックでは、本来の遊撃ではなく三塁の守備に就き、三本間のランダウンプレーにも参加。「自分としてはショートが一番しっくりくるけれど、三塁も守れるよ」と、求められれば複数ポジションを守る準備も進めている。メジャーよりも2週間以上早いキャンプイン、そして練習時間も日本の方が長く、「体が少し張っている感じがする」というが、「日を追う毎にいい具合に慣れてきていると思うよ」と話す。

 長い手足を生かした広い守備範囲、球際の強さなどは、まだ披露されていないが、山田哲人との二遊間コンビでセンターラインが強化されることは間違いないだろう。右のふくらはぎにカタカナで「アルシデス」とタトゥーの入ったエスコバー。本拠地の神宮球場ではどんな華麗なプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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