松田宣浩は五輪有力なのか? 稲葉監督が口にした絶大な信頼「元気な選手必要」
「五輪はもっとプレッシャーがかかる、緊張した場面が多い」
2020年は東京五輪イヤー。野球日本代表「侍ジャパン」は稲葉篤紀監督のもと、悲願の金メダル獲得を目指す熱き戦いに挑むことになる。
その稲葉監督は12球団のキャンプ地をそれぞれ訪問。各球団への挨拶と五輪に向けての協力のお願い、そして、代表候補選手たちの状態チェックなどを行った。11日は昨季の日本一であるソフトバンクの宮崎キャンプを訪れ、王貞治球団会長や工藤公康監督と会談した。
ソフトバンクは昨秋の「第2回 WBSC プレミア12」に松田宣浩内野手、甲斐拓也捕手、嘉弥真新也投手、高橋礼投手、甲斐野央投手、周東佑京内野手と、実に6人も輩出。もちろん12球団で最多だった。さらに柳田悠岐外野手や千賀滉大投手といった万全であれば、間違いなく代表入りするスター選手を抱えている。
ソフトバンクのキャンプ視察を終えた稲葉監督は報道陣に対応し「工藤監督、王会長には『今年いよいよ五輪だね、我々はなんでも協力するので言ってください』と本当に心強い言葉を言ってくださいました」とコメント。ソフトバンクから全面的に協力することを約束してもらい、それに感謝していた。
ここから稲葉監督はオープン戦、そしてペナントレースの戦いを見て、本大会に臨む24人のメンバーを選考していく。プレミア12よりも登録枠が減るため、選手選考は難しいものとなると予想される。
実際に稲葉監督も「人数が減るというのは1番大きなことだと思います。その中でどういう選手を選んでいくか。ある程度、選手は複数ポジションを守れる選手が必要ですし、ピッチャーもワンポイントでというのは使いづらい部分もあります。これから決めていきますけど、バランスですね。チームをバランスよく24人揃えていく」と語っている。
どの選手が果たしてメンバーに名前を連ねるのか。そんな中で稲葉監督が厚い信頼を口にした選手がいた。ソフトバンクの松田宣だ。
プレミア12のメンバーとして先頭に立ってチームを引っ張った松田宣。決勝の韓国戦ではスタメンから外れたものの、円陣での声出しなど、仲間を鼓舞した。大会を通じてもその存在は結果以上に大きく、稲葉監督もそのありがたみを口にしていた。
そして、この日の視察後にも「当然、元気印ということで大会を通じてベンチを盛り上げてくれましたし、決勝もスタメンから外れても、自分は声で戦力になるということで先頭に立って声を出してやってくれたというのは非常にチームに勇気を与えてくれた」と松田宣を高く評価した。
さらには「そういう部分というのは非常に大きいなと感じましたので、五輪はもっとプレッシャーがかかる、緊張した場面が多い中でああいう元気を出している選手というのは必要だなと感じています」とコメント。プレッシャーのかかる五輪本大会における“盛り上げ役”の必要性を語った。
もちろん、代表選手に選考されるためには、シーズン中の結果も伴わなければならない。ただ、松田宣の存在感は今や不可欠と言える。ソフトバンクの、そして侍ジャパンの元気印は五輪への切符を手にすることはできるだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)