【林昌範の目】ロッテのドラ1佐々木朗に、頼もしい吉井コーチの存在「奥行き深い指導が参考に」
林氏は日本ハム在籍時に吉井投手コーチの指導を受けた
林昌範です。キャンプも中盤に入りました。疲れがたまってくる時期で、ニュースを見ると故障者が増えてきているチームも出てきています。選手はこの時期をなんとか乗り越えて、これから本格的に始まる実戦でアピールしてほしいと思います。
新聞、テレビなどメディア報道では、ロッテのドラフト1位右腕・佐々木朗希投手が話題を独占しています。13日には初めてブルペンで投球練習を行いました。映像を見ましたが、あれだけ左足を高く上げて投球しても、上半身がほとんどぶれずに投げられるのは凄いと思いました。また、上背が190センチと高く本格派右腕のイメージでしたが、上半身を柔らかく使う印象を持ちました。
これからクイックや変化球の精度を上げるなど色々な動きが入ってきます。すぐに実戦デビューというわけではなく、首脳陣も球界を代表するエースとしてじっくり育てると思います。体作りを含めてレベルアップした時に、どのような球を投げるのか想像ができないスケールの投手で本当に楽しみです。
個人的には、吉井理人投手コーチの存在も佐々木朗希投手にとって頼もしいと思います。僕は日本ハムで現役時代に吉井コーチに指導して頂きましたが、投手一人一人の長所を伸ばす能力が非常に高かった。シンプルな言葉でわかりやすく伝えて頂いたので心にスッと入ってきました。投手を気持ちよくマウンドに送り出してくれたコーチだったので、今も感謝の思いが強いです。
吉井コーチは筑波大学大学院の人間総合科学研究科修士課程・スポーツ健康システムマネジメント専攻に入学して修士号を取得しています。僕も大学院に通っていましたが、生体力学、動作解析の最新理論を学んだ時は「野球のすべての動作はこんなに奥深いのか」と衝撃を受けました。現役時代の経験論だけでなく、豊富な知識で理論的に説明してくれる吉井コーチの指導は非常に奥行きが深いと思います。佐々木朗希投手も参考になる部分が多いのではないでしょうか。
ロッテは種市篤暉投手、二木康太投手、岩下大輝投手、佐々木千隼投手ら力のある若手投手が多いです。メディアに取り上げられている佐々木朗希投手の存在は刺激になると思いますし、選手間の競争も激しくなりチーム力の底上げにつながると思います。ケガだけには気をつけて、充実したキャンプを送ってほしいですね。
文/構成 インプレッション・平尾類