昇格後3連勝、ハム杉谷が美技も…栗山監督“ダメ出し”「しっかりしてください」
8回に右翼で美技「粘って捕れたも」…指揮官の指摘に「目を合わさないで帰りました」
日本ハムの杉谷拳士内野手が21日、本拠地でのオリックス戦に「2番・右翼」で先発出場し、攻守に渡る活躍で4-1での勝利に貢献した。
初回に右中間三塁打を放ってチャンスメークすると、3回の第2打席は意表をつくセーフティーバントで出塁した(記録は失策)。5回には1死から右前打を放ち、すかさず二盗。中田翔内野手の勝ち越し打で決勝のホームを踏んだ。
19日の1軍再昇格後、3試合で12打数5安打、2犠打、1盗塁とチームの3連勝に貢献した。「(1軍に)いない間もずっと試合を見ていて、自分が何とかしたいという気持ちがありました。機能しないと話にならないので、機能して良かったです」と充実感をにじませた。
守備でも魅せた。今季初めて守った右翼の守備で、8回、中島の大きな当たりをフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ。「追い方が悪くて、ああいう形になってしまいましたが、粘って捕れて良かったです」と振り返った。
チーム一の元気印は、いじられキャラでもある。栗山英樹監督は報道陣の質問に「拳士、きょうは出ていたんですね」と素っ気なく振る舞い「最後のフライ、スタートが遅れているので、しっかりしてください」と注文をつけた。
伝え聞いた杉谷は「言われると思ったので、目を合わさないで帰りました」と報道陣を笑わせた。「奥さんが来ているので、早くしてください」というジョークも飛ばすなど、野球もお笑いも絶好調。周囲を明るくするムードメーカーの登場で、チームは最大14あった借金を5に減らし、4位に浮上した。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa