トラウトはボンズ級!? 元オリのコリンズ監督が満塁時の敬遠案を衝撃告白
3点リードで迎えた9回無死満塁…「勝負を避けて歩かせようと思った」
メジャーを代表する強打者ともなれば、敬遠されるのは日常茶飯事。25歳の若さながら、すでに2度MVPを獲得しているトラウトは、今季だけでもすでに8度経験されている。だが、20日(日本時間21日)メッツ戦で、今まで経験したことがない場面で敬遠されそうになったようだ。元オリックス監督で、現在はメッツの指揮を執るコリンズ監督が、3点リードの9回無死満塁の場面でトラウトを敬遠しようと「真剣に考えた」と衝撃の告白をしたという。米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトが伝えている。
この日、メッツは7-2と5点リードを持って9回表を迎えた。だが、中継ぎラミレスが四球と単打2本で無死満塁としてしまう。ここでコリンズ監督は中継ぎリードを投入。だが、まずメイビンに押し出し四球で1点を返されると、続くカルフーンに中堅へタイムリーを運ばれ、7-4と3点差に詰められた。
なおも無死満塁。ここで打席に迎えたのが、この日まで今季打率.348、13本塁打と絶好調のトラウトだった。一発が飛び出せば逆転の場面。コリンズ監督は「トラウトとの勝負を避けて、歩かせようとすら思った」と話し、万が一のリスクを考えるなら、押し出し敬遠で1失点の方が安全じゃないかと考えたことを明かしたという。
この時、コリンズ監督の脳裏に浮かんだ場面があったそうだ。それが1998年、当時ダイヤモンドバックスを率いたショウォルター監督(現オリオールズ監督)がジャイアンツ戦で、満塁の場面で迎えたボンズを敬遠し、2点リードを守って逃げ切り勝ちしたシーンだ。「(当時のショウォルター監督と)まったく同じ気分だった。勝負して(一発)打つチャンスを与えるよりも、歩かせた方がいいかもしれないって」と苦汁の選択に迫られた心境を明かしたが、最終的には勝負を選び、ライトへの犠牲フライで1失点に止めた。
ボンズと言えば、メジャー歴代最多762本塁打を誇る強打者だ。メジャー7年目のトラウトは通算182本塁打を放っているが、対戦相手に与える脅威はすでにボンズ級に達しているということだろう。
記事によれば、この他にも満塁時での敬遠策は、2008年にレイズを率いたマドン監督(現カブス監督)がレンジャーズ戦でジョシュ・ハミルトンとの勝負を避け、4点差を守り抜いて勝利した例があるという。
22日現在、今季打率.350でメジャー6位ながら、出塁率.466とOPS1.223はメジャー1位に輝くトラウト。この先10年は続くであろうキャリアの中で、満塁時に敬遠される可能性も十分にありそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count