連敗3で止めた広島、中崎復帰も野村が緊急降板「1人帰ってきても、また…」
連敗脱出も緒方監督に笑顔なし、「みんなでカバーしながらやっていく」
広島は23日、マツダスタジアムで行われた東京ヤクルト戦に3-2で勝利し、連敗を3で止めた。リリーフ陣が最少得点差を守りきっての勝利に、緒方監督は「今日は守り勝つ野球ができた」と安堵していたが、先発した野村のアクシデントもあり、連敗脱出にも笑顔は見られなかった。
この試合まで防御率1点台と抜群の安定感を見せていた野村だが、2回に5連打で2点を奪われた。3回は無失点に抑えたが、チームが同点に追いついた直後の4回、マウンドに野村の姿はなかった。緒方監督は「アクシデントがあった。詳しくはトレーナーから報告があるはず」として、「抹消することになるかもしれない」と軽症ではないことも示唆した。
試合は4回から緊急登板した薮田が3イニングを無失点に抑え、打線が5回に安部のタイムリーで勝ち越し。その後はこの日登録された中﨑が7回を抑え、8、9回はジャクソン、今村の必勝リレーで逃げ切った。
16年にも先発投手のアクシデントで緊急登板し、好投した薮田は「2回が終わったあたりから準備はしていた。同じような経験があったので、苦手意識もなかったし、あれこれ考えずに開き直って投げられたのがよかったと思う」と胸を張った。
中崎の復帰には「最初は楽な場面からだったけど、いい投球をしてくれた」と喜んだ緒方監督だが、野村のアクシデントに「1人帰ってきても、またこういう状態になる」と苦渋の表情だった。それでも指揮官は「来週から交流戦が始まって、6連戦が続くが、これまでのように、みんなでカバーしながらやっていくしかない」と、苦しい状況を打破していく意気込みを示した。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo