日ハム中田がOP戦1号弾で得た手応え プロ13年目で辿り着いた“新境地”とは
中田が変えたスイングへの意識「ボールをしばきにいく感覚」→「ヘッドを立てる感覚」
■日本ハム 7-3 オリックス(オープン戦・1日・札幌ドーム)
日本ハムの中田翔内野手が1日、本拠地オリックス戦でオープン戦第1号を放った。2点を追う2回、カウント2-1からオリックスの先発・荒西のカットボールを振り抜いた打球は左翼席へ一直線。「大振りすることなく、しっかり謙虚に捉えることができたかなと思います」と胸を張った。
プロ13年目を迎える今季、新境地を切り開こうとしてしている。若い頃は「ボールをしばきにいく感覚」で力任せに飛ばしていた。「ボールを捉えにいく中で、自分の感覚がちょっと変わりつつある。ボールのちょっと下にバットを入れてあげるという感覚かな。もちろん今もボールをしばきにいく感覚はあるけど、その中でもヘッドを使う、ヘッドを立てる感覚がある」。一生懸命言葉を選びながら中田は自身の進化について説明した。
打率を上げるために求めてきた理想の打撃に近づきつつある。「まだ完ぺきではないし、油断していたら今後どうなるかわからない。でも、そういう風にはなりつつあるかな」と言う。その証拠がこの日軽く振って放り込んだアーチ。「フルスイングという形からはかけ離れていますけど、そこまでしっかりした打球が飛んでくれるのは自信になりますし、感触もすごく良かった」と手応え十分だった。
せっかくの第1号も無観客試合のため、静まり返った中でのベース1周となった。「なんて言えばいいのかな。ホームランはすごく嬉しいですし、自分がやってきたことに対しての結果が出たことに対してはすごくホッとしているんですけど、いつもと違って、ちょっと物足りなさを感じたというか。(ファンの)みんなの声援というのは、僕らにとっては大きいものなので、それがないことは悲しいなと思う」と率直な心境を明かした。
様々な思いがこもった本塁打は、試合を楽しみにしていた子どもたちへのプレゼントにもなった。この日、球団は無観客で行う札幌ドームのオープン戦でスタンドインしたホームランボールとファウルボールを子どもたちに贈ることを決めた。その本塁打第1号。「子どもたちが喜んでくれるのであれば、大賛成。球場に来たくてうずうずしている子どもたちもいると思うしね」と笑顔でうなずいた中田。球場にいなくてもファンとつながっていることを実感したに違いない。