スランプ抜けない田中将大、前進実感も「我慢強くやっていかないと」

安定感に欠けたスライダー「修正できなかったのは僕の未熟な点」

 ヤンキース田中将大投手は31日(日本時間6月1日)、敵地でのオリオールズ戦に先発し、今季5敗目(5勝)を喫した。5回2/3を投げて1被弾を含む9安打2四球4奪三振7失点(自責7)で防御率は6.34まで上昇。5月14日アストロズ戦から先発4試合連続黒星は自己ワーストで、出口の見えないトンネルにはまり込んでしまった感がある。試合後、現地メディアの会見に応じた田中は「我慢強くやっていくしかない」と悔しげな表情を浮かべた。

 5月14日アストロズ戦、20日レイズ戦と2戦連続で4回持たずに6失点以上を喫する炎上劇を演じたが、前回26日アスレチックス戦では自己最多を更新する13奪三振で8回途中1失点の快投。エース復活の号砲かと期待する声は高かったが、一歩後戻りする形になってしまった。

 田中はこの日の投球について「ファーストストライクを取るのに苦労して、ボール先行のカウントにしてしまって、自分で苦しくしてしまった。逆に、アダム・ジョーンズには初球が甘くなってタイムリー、ホームランとされてしまったので、あそこはもっと球数を使っていくべきだった」と振り返った。

 ジラルディ監督は、同じくボール先行になったことが大量失点の一因だと見ると同時に、スライダーの不安定さも指摘した。これについて28歳右腕は「原因は自分では分かっていたけど修正できなかったのは、自分の未熟な点」と話し、思い通りの投球ができなかったもどかしさを見せた。

 今季は開幕当初から安定感に欠けるパフォーマンスが続いている。その中で「確実に前には進んでいると思う」と、少しずつでも状態が上がっている手応えはあるようだが、なかなか結果として表れず。「いろいろなことを含めて我慢強くやっていかないといけない」と日々の研鑽を誓った。

 メジャー移籍後初めてとも言える長いスランプに、地元メディアが精神面でのダメージを心配すると「もちろん僕が投げている試合で続けて負けているんで、それはあります」と認める一方、「それは関係ないというか言っていられない。戦う姿勢を持ってやっていくしかない」と不屈の精神で戦い抜くことを誓った。

 スケジュール通りならば、次回は6日(同7日)本拠地でのレッドソックス戦で先発予定。敵地ながら、4月27日に対戦した時は完封勝利を収めた相手。いいイメージを持ったまま、好投につなげていきたい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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