MLBのビデオ使用禁止案に通算231発マルティネスが怒り「フェアではない」
サイン盗み騒動の余波に巻き添え?「アピールしようとしてるだけ」
アストロズのサイン盗みに揺れたメジャーリーグ。再発防止策としてMLB機構は試合中の選手によるビデオ利用を全面禁止する意向を選手会に伝えているというが、通算231本塁打を誇る大砲レッドソックスのJD・マルティネスはこれを非難している。
MLBの提案に対して選手会は全面禁止に難色を示しつつ、26日(日本時間27日)の開幕までに「合意点」を見出したいとの意向を示しているという。米メディア「スポーツ・イラストレイテッド」によると、マルティネスはこの対応策に「冗談だろう」と半ば怒りの声をあげている。
「30年前に後戻りさせることが、正しいことだとは思えない。こうすることで、(MLBはサイン盗みの件で)何かしているとアピールしようとしているだけだ。あまりにも馬鹿げている」
マルティネスはビデオが自身のキャリアを救ったと話した。打席の間にビデオを見て、バッティングゲージで調節することに多くの時間を費やすのがルーティンで、スイングを調節することで過去6年間、試合後半の7回から9回に最も良い活躍ができたのだという。
これは全く不正ではなく、マルティネスの生真面目さ、努力家である事の表れだ。「僕はナチュラルな打者ではない。僕は自分自身にどうやって打つかを教えないといけない。僕以外にもそんな選手は居ると思うよ」。
また自身の経験を基に、「これは指名打者に最も影響を与えると思う。次の打席を持っている3イニングの間に何をすればいいのか。試合を見て、自分やチームメートのスイングを研究する。それが僕らが(指名打者が)やることなんだ」と隠れた問題も指摘したようだ。
MLB機構の提案はもちろんマルティネスのような選手たちを不利な立場に置くことを目的としたものではない。しかし、「この提案はフェアではないと思う」と違う形での対策を望んでいるという。選手会が合意点を見出し、MLB機構を頷かせることができるのか。サイン盗み騒動の新たな余波とならないことを祈るばかりだ。
(Full-Count編集部)