先発試合でチームは8連勝中、白星逃すも監督唸らすソフトB東浜の安定感
今季10試合の先発で9度のQS、自身6連勝中は最多2失点
マウンドに立つ姿には、風格すら感じさせるようになってきた。ソフトバンクの東浜巨投手。今季10試合目の先発となった6日のヤクルト戦(ヤフオクD)も、8回1失点の好投。白星こそ付かなかったものの、工藤公康監督が「1勝の価値がある」と称賛するピッチングだった。
「体がいつもより重い感じがした。その分コントロールは安定していたかな」というこの日の投球。ヤクルト打線から3回2死までに5個の三振を奪う出足だったが、坂口に2号ソロを浴び、先制点を許した。その後は、走者は出しながらも、失点は許さない粘りの投球。ジェンセンのソロでチームが同点に追いつくと、8回まで5安打1失点。均衡を保ったまま、鉄壁のリリーフ陣にバトンを繋いだ。
「先に点を与えてしまったのは反省ですけど。チームが勝ったことが1番。投げた試合で、チームが勝つことが先発にとって嬉しいこと」という右腕。その安定感は、際立つものがある。
今季10試合目の先発で、6回3失点のクオリティースタート(QS)は9試合に。4月9日の西武戦(メットライフ)で6回途中で降板して以降、8試合連続で先発としての責任を果たしている。その8試合は、最多でも2失点。自身は6連勝で、2試合に勝敗が付いていないが、チーム自体は8試合すべてに勝っている。
安定した投球が続く要因に「長いイニングをしっかり投げられている。試合中にもいいところ、悪いところがある中で、状態に左右されることなく打者と勝負出来ている」と挙げる。自分に意識を向けることなく、打者との勝負に集中出来ているという。
冒頭の工藤公康監督の言葉を伝え聞いた右腕は「そう言っていただけるのはありがたいですね。嬉しい言葉です」と表情を緩めた。週アタマを任されている東浜。チームの大黒柱と呼べるほど、頼もしい存在となっている。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani