支配下昇格が近づく鷹の育成・尾形 工藤監督や甲斐が高く評価する能力とは…

2番手で登板したソフトバンク・尾形崇斗【写真:藤浦一都】
2番手で登板したソフトバンク・尾形崇斗【写真:藤浦一都】

工藤監督は投げっぷりを高評価「打者に向かっていって逃げない」

■ソフトバンク 6-3 巨人(オープン戦・11日・PayPayドーム)

 11日にPayPayドームで行われた巨人とのオープン戦。2番手で登板したソフトバンクの育成選手・尾形崇斗投手がまた好投した。6回から登板し、巨人打線を3者凡退に封じ、これでオープン戦4試合連続無失点。支配下昇格に向けて、猛アピールを続けている。

 この日は6回にマウンドへ。先頭のウレーニャを捕邪飛に打ち取ると、続く吉川尚は中飛。最後は昨季のセ・リーグMVP坂本をスライダーで遊ゴロに。1イニングを投げて無安打無失点。12球で片付け、工藤公康監督も「1軍の切符の可能性もある。結果を見ても、十分みんなと(1軍の枠を)争う1人だと思います」と絶賛した。

 この日の最速は149キロだった尾形。2月23日のオリックス戦で3イニングを無失点に封じると、1軍の打者を相手にして4戦連続で無失点を続けている。果たして、この右腕のどこが秀でているのか。工藤監督はこう語っている。

「打者に向かっていって逃げないところ。ストレートばかりを投げるわけじゃないけど、ゾーンの中で勝負をできるのはいい。自分のボールを信じて、ゾーンに投げられるというのが1番。これを無くさないようにして欲しい」

 工藤監督がキャンプ中から一貫して高く評価しているのは、その“投げっぷり”の良さ。真っ直ぐの質の良さもさることながら、打者に対して怯むことなく、思い切り腕を振って投げられること、そして、ストライクゾーンで打者と勝負できるところを評価している。

 また、この日ボールを受けることはなかったものの、正捕手の甲斐拓也は、尾形の最大の武器でもある真っ直ぐをこう評した。

「(尾形の良さの)1番は真っ直ぐですね。本人も自信があるのは真っ直ぐですし、ああいう腕を振って、気持ちで投げるスタイルも良さですね。真っ直ぐも上から叩いてきて、落ちずに強く伸びてきます。ベース板で強い真っ直ぐです」

 体全体を使って、真上から投じられる尾形の真っ直ぐ。打者の手元でも強さがあり、甲斐曰く「ベース板で強い」という。変化球には課題がありながらも、結果を残し続けているのは、このストレートの威力が優れているからに他ならないだろう。

 ソフトバンクで支配下昇格の基準となるのは“1軍の戦力になるかどうか”。工藤監督が1軍の競争の中にいることを語っている以上、開幕前に支配下昇格となる可能性は高いだろう。次なる“育成の星”となりそうな尾形。吉報が届く日は、もうすぐそこまで来ている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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