ハム育成新人・長谷川4戦無失点 栗山監督絶賛「必死な姿は見ていて気持ちいい」
DeNA打線を3人斬り「いい経験をさせてもらっていると思う」
■DeNA 1-0 日本ハム(オープン戦・13日・札幌ドーム)
日本ハムの育成ルーキー、長谷川凌汰投手が13日、DeNAとのオープン戦の9回に登板し、打者3人で片付けた。3月3日の巨人戦でオープン戦デビューしてから4試合無失点。栗山英樹監督は「必死になって投げている姿は見ていて気持ちがいい」と絶賛した。
188センチ、98キロと恵まれた体格を持つ本格派右腕。この日も力のある直球を軸にした。最速は150キロ。先頭の嶺井を遊ゴロ、大和を中飛に打ち取ると、最後は神里をフォークで空振り三振に仕留めた。「基本的には初対戦の方ばかりなので、(ボールの)軌道とか分かっていないこともありますし」とまずは謙遜した長谷川だが、試合を重ねる度に手応えをつかんでいることも事実だ。「徐々に落ち着いて、バッターを見ながら投げられるようになってきているので、そこはすごく成長したというか、いい経験をさせてもらっていると思います」と充実感をにじませた。
新人デーとなった3月3日の巨人戦に4番手で登板して1回を無安打無失点に抑えると、6~8日の関西遠征に帯同した。6日阪神戦、8日オリックス戦といずれも最終回に登板して無失点。ここまで4試合で打たれた安打はわずか1本と安定感が光る。
関西遠征後に一度ファームに戻ったが、この日から再び1軍に合流した。「(関西遠征後に)一旦落ちるだろうなと思ってました。背番号3桁なので1軍にはいられないですし。鎌ケ谷でしっかり1軍で経験したことを課題としてつぶしていけるようにと思っていました。開幕が伸びたこともあるのかなと思いますけど、また経験させてもらえる機会をいただけたので、前回と違ったところを見せられたらいいなと思っています」と初々しい。
福井商高、龍谷大、BCリーグ新潟を経て育成ドラフト3位で入団した苦労人だけに、好結果が続いても冷静だ。目指す支配下登録について「そんなに甘くないと思います」と表情を引き締める。「今は調子がいいので、いいピッチングができていますけど、調子が悪くなった時にどうなるかが大事。しっかり地に足をつけて、先は見ないで、1試合1試合結果を出せるように頑張っていきたいです」と言葉に力を込めた。
愚直に前進しようとるする右腕を見つめる指揮官の眼差しは優しい。「あれだけ一生懸命野球やるのはすごくいいことだし、何かみんなに伝えられることがあると思う。最後は魂なので。1球1球必死になって野球をやる人が最後生き残っていく」と称賛。その投球だけではなく、チームに新しい風を吹かせる存在としても期待を寄せた。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)