日ハム大田、古巣巨人に2戦連続“恩返し”弾「邪念なく取り組めた結果」
古巣から「邪念なし」8号ソロ、3連戦で打率7割「いろんな思いありますけど…」
日本ハムの大田泰示外野手が11日、本拠地での巨人戦で2試合連発となる8号ソロを放ち、5-1の勝利に貢献した。
前日のバックスクリーンへの先頭打者アーチに続き、また超満員のスタンドを沸かせた。7回、吉川光のツーシームを巨人ファンが陣取る右翼席に放り込む。「外のツーシームがメインだと思って、しっかり目付けして振ることができました」と冷静に振り返った大田。カウント2-0から狙っていた球を一振りできっちり仕留めた。
右方向への豪快な一発に栗山英樹監督も「札幌ドームであっち側(右翼)に、打った瞬間行ったという感じでしたね」と思わず目を細めた。5月12日のロッテ戦(東京ドーム)に右中間本塁打を放っているが、広い札幌ドームで右翼席に叩き込んだことで、あらためて潜在能力の高さを示した格好だ。
3回にも2死から左越え二塁打で突破口を開き、西川の先制2ランを呼んだ。この3連戦10打数7安打で打率7割、2本塁打で2打点の大活躍で連勝に大きく貢献した。「連敗していた中で、カードが変わり、集中力を持って臨んで、いい結果が出て連勝できた。この流れに乗っていけたらいい」と大田は静かにうなずいた。
昨年まで8年間在籍した古巣との対決がクローズアップされ続けることには、やんわりと釘を刺した。「いろんな思いはありますが、試合に変わりはないし、1打席というのは変わらない。邪念なく取り組めた結果だと思います」。その穏やかな口調には、この3連戦でつかんだであろう自信が少しだけ垣間見えた。
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石川加奈子●文 text by Kanako Ishikawa