イチロー氏は「悪夢のようだった」 現役時代のライバルが語る51番の打撃と守備
1位はバリー・ボンズ、イチロー氏の選出は「この選択は独自なものではないか」
イチロー氏の現役引退から1年。メジャーではシーズン最多262安打、10年連続200安打、歴代23位の通算3089安打など輝かしいキャリアを送ってきたが、グラウンドでしのぎを削ってきた“ライバル”はどう見ていたのだろうか。通算2375安打を記録し、現在はレンジャーズのGM特別補佐を務めているマイケル・ヤング氏は米メディア「ジ・アスレチック」が特集した「偉大な対戦相手トップ10」で、8位にイチロー氏を選んでいる。
ヤング氏はレンジャーズ時代の2003年から5年連続で200安打以上をマーク。05年に首位打者を獲得し、イチロー氏のライバルと言われた安打製造機だ。「ジ・アスレチック」が「その時代で最もリスペクトされていた選手の1人」と称える好打者は、8位に選んだイチロー氏を打者としてこう評している。
「個人的にこの選択は、独自なものではないかと思っている。僕ほど彼のインパクトを強く感じた選手は他にはいないのではないか。ミドルインフィルダー(二塁、遊撃手)である僕とって、彼は悪夢のようだった」
イチロー氏の良さは打撃だけではない。守備では01年から10年連続でゴールドグラブ賞を受賞。その送球は「レーザービーム」と称えられた。
「また、私が打者として彼と対戦した時には、常に彼のことを考えながら、アプローチしなければならなかった。それでも、彼は、少なくとも1シリーズにつきヒット1本は(彼の守備によって)僕から奪っただろう」
イチロー氏はオリックス時代に1278安打を記録し、日米通算4367安打は歴代最多の安打数。ギネス記録にも認定されているものの、MLB歴代最多の通算4256安打を放ったピート・ローズ氏との比較は、これまでも幾度となく議論となっている。それでも、イチロー氏のライバルはこう称えている。
「もし彼がキャリアの初めからMLBでプレーしていたらなら、(ピート・ローズの記録である)4256安打は歴代2位の記録になっていた」
ヤング氏が選ぶ偉大な対戦相手の3位には12年3冠王のタイガースのミゲル・カブレラ。2位にエンゼルスのマイク・トラウト、1位にMLB歴代最多の通算762本塁打を放ったバリー・ボンズ氏を選んでいる。現役選手を含めた錚々たるメンバーが並ぶ中、イチロー氏をリスペクトの思いは今も変わらないようだ。
(Full-Count編集部)