ロッテ井口のデビュー戦で先発だったソフトB工藤監督「もっと長く出来ると」
監督就任後は敵として対戦「出ていなければホッとするところがあった」
現役最年長野手のロッテ・井口資仁内野手(42)が20日、今季限りでの現役引退を表明した。
ダイエーから米MLB、そしてロッテと渡り歩いた21年間の現役生活で日米通算2000安打を達成し、日本一と世界一に輝いた井口。プロ入りした1997年から3年間チームメートだったソフトバンクの工藤公康監督も、現役引退を残念がった。
この日、福岡・筑後市のファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」に視察に訪れた工藤監督は「もっと長く出来ると、外から見ていると、そう思えるのだけど、僕も現役の時はそうだったし、外から見ているだけでは分からない痛いところ、無理して我慢していたところがあったのだと思う。長い間お疲れさまでしたと言いたい」とコメントした。
井口がプロ初出場初先発し、プロ初安打、そしてプロ初アーチとなる満塁本塁打を放った1997年5月3日の近鉄戦(福岡ドーム)で、ダイエーの先発投手だったのが工藤監督で「チャンスに強いし、ここという時に素晴らしいバッティングをしているイメージ。野球に対する情熱、取り組む姿勢があったからこそ、ここというところで力を発揮できたのだと思う」という。
ソフトバンクの監督に就任してからは、相手チームの打者として対戦しており「試合に出ていたら、井口が出てくる前にチャンスを作らせないように、いかにそこまでに切っておくかを考えていた。出ていなければホッとするところがありました」と印象を口にした。今季はロッテの選手として、戦うことになるだけに「最後までお互い一生懸命戦って、悔いのないシーズンにして欲しいと思います」とエールを送った。
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福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani