リベンジの1年へ 松坂復活へのキーワードは「メッツ」と「カーブ」
大きなダメージとなった4月下旬に負った左脇腹の負傷
「怪物」の復活を誰もが待ち望んでいる。メッツをFAとなった松坂大輔(33)の再契約が、年内に決まりそうだとの報道が出ている。2013年はシーズンの大半をマイナーで過ごす苦しい1年となったが、終盤に復活の兆しを見せた。球団側は先発投手不足に悩んでいることもあり、その豊富な経験を必要としている。数々の栄光を手にしてきた男は、メジャーでもう一花咲かせることが出来るだろうか。この1年を振り返りながら、その可能性を探りたい。
松坂は今季開幕をマイナーで迎えた。招待選手として参加したインディアンスのキャンプで結果を残せず、さらに3月中旬に右ふくらはぎを痛めたことも響いた。3Aコロンバスで迎えた4月6日の初登板はパイレーツ傘下インディアナポリス戦。5回4安打2失点でスタートを切った直後は、意外にも前向きに話している。
「(メジャーに)上がったときのためにしっかり投げておきたいボールがあるので、それは色んな場面で使いました。自分が思っていたよりもいいボールが多かったですし、次につながるんじゃないですか。オープン戦と違って緊張感もありました。投げた後にしっかり疲労感がありますし、始まったなという感じはありますね」
その目には、間違いなくメジャーの舞台がはっきりと見えていた。いや、初めからメジャー昇格を見据えた投球だった。実際に、レッドソックス時代の指揮官で、今季からインディアンスを率いたテリー・フランコーナ監督も松坂の早期昇格を望んでいたのだ。しかし、その先に待っていたのは厳しい日々だった。コロンバスで順調に調整を続け、実は4月下旬にはメジャー昇格が内定していたものの、左脇腹を痛めて消滅。最もダメージの大きな出来事だった。
「実際に『次からメジャーだ』って言われて、そこで怪我をしてしまったときは、さすがに何とも言えないくらい落ち込みましたね。そこからなかなか状態も上がらなかったですし、その時期っていうのはすごく自分の中でもきつい時間でした」