「大谷だけは抑えてやろう」―ソフトB岡本が復帰初打席の二刀流を三振斬り

中継ぎで存在感を出し始めている右腕「久々の打席で打たれたくない」

 27日のソフトバンク戦で復帰後初出場となった日本ハム・大谷翔平投手。その復帰初打席で、球界の至宝を空振り三振に切って取ったのは岡本健投手だった。「久々の打席で打たれたくない、というのはありましたね」という意地。1軍どころか、2軍での実戦調整もなかった大谷。約2か月半ぶりに打席に立った打者に、そう思うのは当然のことだった。

「テレビに映っていたので出て来るかな、と思ってはいました。(打順が)キャッチャーのところだったので」

 8回にマウンドに上がった右腕。大野のところで代打として送られた大谷と、いきなりの対戦となった。「先頭打者だったので、大谷だけは抑えてやろうと思った」。初球はボール、2球目は見逃しでストライクを取ると、3球目はファール。4球目のボールを挟み、5球目、127キロのチェンジアップで、バットに空を切らせた。

「最後は決め球だったので、良かった。結果は良かったですね」と試合後に振り返った岡本。6点差での登板で「四球だけは出さないようにと。連打はいいけど、四球が絡むと点が入るようになるので」。代打・田中賢を二ゴロ、中島を中飛に切り、難なく3者凡退で切り、日本ハムに反撃を許さなかった。

 5月25日のロッテ戦(ヤフオクD)で今季初の1軍昇格を果たすと、6月18日の広島戦(マツダ)では中継ぎで登板し、プロ初勝利。この日でまだ7試合目の登板だが、ここまで7戦連続で無失点投球を続け、徐々に中継ぎ陣の中でも存在感を出し始めている。

「投げる機会がちょっとずつ増えてきた。ただ、そこで結果を出さないと、というのはある。2軍からやってきたことを変えず、打者に向かっていくこと、コントロールも大事ですけど、そこは割り切って、バッターとの勝負が今出来ている」という岡本。競争が熾烈なソフトバンクにあって、中継ぎ投手もその例外ではない。生き残るためには、結果しかない。岡本もまた、必死に食らいついている1人だ。

【了】

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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