元西武助っ人が“後悔”するデビュー戦満塁弾 「本来の姿を見つけられなかった」

現在はレッズの打撃コーチを務めるアラン・ジンター氏【写真:Getty Images】
現在はレッズの打撃コーチを務めるアラン・ジンター氏【写真:Getty Images】

西武などでプレーし現在レッズの打撃コーチを務めるアラン・ジンター氏

 西武、アストロズなどでプレーし現在レッズの打撃コーチを務めるアラン・ジンター氏。わずか1年で日本球界を去ることになったが、その経験は今でも生き続けているようだ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」に当時を振り返っている。

 ジンター氏は1989年のドラフト1巡目でメッツに入団しタイガース、レッドソックス、マリナーズ、カブスなどを渡り歩き、1999年途中に西武に移籍。同年5月14日のオリックス戦では史上6人目の「デビュー戦満塁ホームラン」を放つ衝撃デビューを飾った。

 日本に降り立った際には多くの報道陣が詰めかけ「僕たちには何が起きているかわからなかった。そしてエスカレーターで降りていくと、この騒ぎの原因が僕にあっただなんてね。『冗談だろ』ってね」と信じられなかった様子。

 そしてデビュー戦での満塁ホームランを放った時には“日本流”のファンサービスにも戸惑ったようだ。ホームインした際に球団マスコットがお出迎えし人形を渡されたジンター氏は「どうしていいかわからなかったから、チームメートたちが言う通りにしたよ。彼らは僕に、そのぬいぐるみを観客席に投げ込むように言ったんだ。とにかくクレイジーだったね。最高な気分だったよ。僕は圧倒されたんだ」と、驚きと喜びを感じたことを振り返っている。

 最高のデビューを飾ったが、その後は徐々に調子を落とし8月に2軍に落ちるとその後は1軍の舞台に帰ってくることはなった。通算61試合に出場し打率.202、8本塁打28打点の成績を残し西武を去ることになったが、後悔もあった。

 記事では日本では助っ人=ホームランというイメージが大きく、ジンター氏が持つ本来のプレースタイルを見失っていたことを言及。満塁本塁打デビューによって「別のことをしないといけないと感じる時が、誰にでもたくさんある。実力以上のものをださなきゃっ、てね。人間とはそういうもの。僕は向こうに行って、スーパーホームランバッターになろうしていたんだ。僕はホームランを打ったが、自分が望む本来の姿を見つけられなかった」と語っている。

 ジンター氏はその後、2002年にアストロズでメジャーデビューを飾りMLBでは通算67試合に出場し打率.167、3本塁打、9打点の成績を残し2007年に現役を引退した。日本での経験を活かし古巣・西武の後輩でもある秋山翔吾をサポートしていく。

(Full-Count編集部)

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