開幕迎えた台湾プロ野球 元鷹左腕が米紙に語った現実、ホテル泊まれずバス移動

昨季までソフトバンクに在籍していたアリエル・ミランダ【写真:藤浦一都】
昨季までソフトバンクに在籍していたアリエル・ミランダ【写真:藤浦一都】

家族が来台できず単身生活、無観客試合は「変な感じ」

 4月12日に“世界最速”で開幕を迎えた台湾プロ野球。新型コロナウイルスの封じ込めに成功しており、無観客開催ではあるものの、ついに開幕の日がやってきた。行われた中信兄弟対統一ライオンズの一戦。この試合でホームの中信兄弟で先発マウンドに上がったのが、昨季までソフトバンクに在籍していたアリエル・ミランダ投手だった。

 米メディア「ロサンゼルス・タイムズ」も“世界最速”で開幕した台湾プロ野球に注目。かつてオリオールズやマリナーズにも在籍したミランダの話を交えて、この現状をレポートしている。

「台湾のプロ野球が空のスタジアムで開幕した」との見出しで台湾プロ野球の開幕を伝えたロサンゼルス・タイムズの記事。この日、ミランダは5回を投げて3安打1失点、7奪三振と好投。チームは延長戦の末に敗れて白星はつかなかったが、ミランダは「マウンドですごくいい気分だった」と語ったという。

 とはいえ、試合は無観客での開催だったため、スタンドは空っぽ。そのため記事では「状況はとても不安定なものだった。彼らのチームにとってはホームゲームだったが、その様子は開幕日のようにはとても見えなかった」と言及されている。

 ロサンゼルス・タイムズに対し「(観客がいないのは)とても変な感じだよ。だけど、変化に上手く適応して、やり抜くだけだ」と語ったというミランダ。米国に家族を残して台湾に入り、新型コロナウイルスの感染拡大で家族はまだ米国に残ったまま。いつ会えるのか分からず、記事の中でミランダは「これ(新型コロナウイルスのパンデミック)が収束するまでは、(家族に会うのは)無理だと思う」と語っている。

 開幕を迎えたといっても、チームは遠征先でホテルに泊まることはない。感染拡大予防のために、毎日、バスで試合開催地まで移動しており、時には片道で3時間ほどバスに乗ることもあるという。体温を1日に何度も計測し、手指消毒も頻繁に行う。ただ、これにもミランダは「毎日、そうなんだ。だから慣れたよ」と語っている。

 不自由を強いられながらも、開幕を迎えることができた台湾プロ野球。無観客での開催でも、「ロサンゼルス・タイムズ」は「たとえ、そこに観客がいなくても、野球が出来るということは素晴らしいことである」と、野球ができる環境であるコトを称賛していた。

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