球宴初出場を決めたオリックス山岡投手、一度は流れた「夢の対決」なるか
ドラフト1位山岡、黒星先行も防御率は2点台
7月2日、「マイナビオールスタゲーム2017」の全出場選手が発表され、監督推薦によってオリックスのドラフト1位ルーキー・山岡投手の出場が決まった。今季の成績は12試合、78回を投げて3勝6敗と黒星が先行しているものの、防御率は埼玉西武の菊池投手、楽天の岸投手、福岡ソフトバンクの東浜投手に次いで、リーグ4位の2.54。新人らしからぬ好投を続けているだけに、選出に対する驚きは少ないだろう。
山岡投手は4月13日の千葉ロッテ戦で初登板を迎えたが、好投しても打線と噛み合わないケースが多く、初勝利は5月28日の千葉ロッテ戦までずれ込んだ。しかし、12試合に登板して4点以上を失ったのはわずか2試合のみ。クオリティ・スタート率(6回以上を投げて自責点3以下で収めた試合の割合)は75%という安定感でローテーションを支えており、交流戦明け最初の試合で先発を任されるなどベンチの信頼も勝ち取っている。
そんな山岡投手だが、交流戦期間中にとある理由で注目を集めていた。2カード目の巨人との3連戦で、田口投手との対決が実現するのではないかと予想されていたからだ。
2013年の夏、瀬戸内高校の山岡投手と、広島新庄高校の田口投手が、広島大会の決勝戦で高校野球史に残る名勝負を繰り広げた。当時からプロ注目の好投手だった両雄の投げ合いは延長15回まで及び、互いに譲らず0-0のまま、広島が1県1代表制となって以降史上初の決勝引き分け再試合となった。2日後の再試合も、やはり息詰まる投手戦となったが、山岡投手の瀬戸内高校が1-0で広島新庄高校を下し、甲子園の切符を勝ち取った。
その年のドラフト3位で巨人に指名された田口投手と、東京ガスを経て昨年ドラフト1位でオリックス入りした山岡投手。ともにプロの舞台でチームを支える存在に成長した2人が、再び名勝負を見せてくれるのではないかというファンの期待は高まったが、田口投手の先発が1日前倒しされ、残念ながら交流戦での直接対決はお預けとなってしまった。
だが、それから約1か月後に発表されたオールスター出場選手名簿に、2人の名前が揃って記載されることとなる。意外な形で再び逆側のベンチに座ることになった2人。はたして球宴の舞台で、山岡投手と田口投手が投げ合う機会はあるのだろうか。公式戦より一足早く実現するかもしれない夢の対決に注目してみてはいかがだろうか。