「辞めたから言うけど…」名物審判が元ハム西崎氏にぶっちゃけたプロ野球のジャッジ【2】
同じ審判でも日によって判定が変わる? 第2弾は投手と審判の相性や特徴の見極め
マウンドに上がる投手は目の前のバッターだけでなく、その後ろにいる審判とも日々“対戦”している。1980~2000年代に日本ハム、西武で“トレンディエース”として活躍した西崎幸広氏と、同時代にパ・リーグの審判を務めた山崎夏生氏が「Full-Count YouTube」で対談。プロ野球の審判と選手の関係性について語った。
審判が人間である以上、人によって、また場合によって微妙に異なるジャッジが生まれる。そのため一流の投手は各審判ごとの特徴を掴むと言われるが、やはり「相性は結構ありましたね」と判定への本音を語った西崎氏。山崎氏については「どちらかというと、投手に有利でしたから。ピッチャーは“球審・山崎”って見た瞬間、『よっしゃ』って思っていました」と当時の裏側を暴露する。
投手に有利といってもルールを大きく変えている訳ではない。投手にとってはその都度ボールの判定が異なる審判では投球の組み立てができないため、「しっかりとジャッジできる審判」が好ましいのだという。では、ストライクとボールの判定基準はどうしていたのか。山崎氏は「もう辞めたから言うけれど……僕はべースの角をかすった、かすっていないではなく、“隙間をどこまで取るか”と言う、さじ加減だった」と明かす。ベースの端と端をストライクゾーンの基準とする人もいるというが、「それだと少し狭い」のだとか。
西崎氏は現役時代、このような審判の特徴の見極めを最初の1巡目でしていたという。「その日によって違うんですよ、審判の方も。体調もあるだろうし、今日ここ(ストライクと)とってる、とってないというのを利用しながら投げる」。
日毎に判定が異なれば、当然揉める事もある。「ココっていう大事なところでミスされたら投手は本当に怒るんですよ」と西崎氏。実際に、山崎氏が球審として捌いた西崎氏の登板試合でも不調の時があったといい、2人は当時を振り返り、大盛り上がり。その際にはかなり頭に来ていたという西崎氏だが、「僕、あんまり文句言わなかった方じゃないですか? 審判を味方につけなきゃな、と思っていたから」と当時はしたたかに怒った顔を隠したのだとか。
現在の審判とはいささか異なる部分もあるにせよ、今後の観戦は審判と投手のせめぎ合いに注目するのも面白いかもしれない。
(Full-Count編集部)