ファンが応援チームの勝利をぶち壊し? 史上最悪の試合妨害ランキング
米メディア「ブリーチャーリポート」は「MLB史上最も悪名高き“ファンによる妨害”」を発表した
ファンによる大歓声や野次は野球観戦に付き物。大いに試合を盛り上げるが、試合の進行や勝敗に影響するケースも多々ある。米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・リポート」は「大リーグ史上最も悪名高き“ファンによる妨害”」を特集。最悪ナンバー1に選ばれたのは、一体どんなファン、どんな共通点があるのだろうか。
3位に選ばれたのは2人の男性ファンだ。1974年4月8日のブレーブス対ドジャース戦。当時10代だった2人はブレーブスのハンク・アーロンがベーブ・ルースを抜く715号の本塁打を放った際に客席からグラウンドに乱入。ダイヤモンドを一周するアーロン氏の肩をたたいて祝福した。3人は2010年8月に再会し、アーロン氏は「2人とはいつもつながっている感じがする」とコメント。決して悪い気はしなかったようだ。
2位はヤンキースの世界一を“アシスト”した12歳の少年だ。1996年10月9日のリーグ優勝決定シリーズ第1戦、ヤンキース対オリオールズ。1点を追う8回、ジーターの右翼後方への大飛球はフェンスぎりぎりまで飛んだ。右翼最前列のジェフリー・メイヤーくんはフェンスからグラブを出してキャッチにトライ。フェンス手前で落ちるはずだったボールはスタンドへ入って同点弾となった。右翼手のトニー・タラスコやオリオールズの選手たちが抗議するも判定は覆らず。幸運な得点で追いついたヤンキースはこの試合、延長11回サヨナラ勝ち。同シリーズを4勝1敗で勝ち抜き、1978年以来となるワールドシリーズ制覇も果たした。
1位はスティーブ・バートマン事件だ。2003年10月14日。カブス対マーリンズのリーグ優勝決定シリーズ第6戦で起きた。3勝2敗と優位に立ったカブスは7回まで3点リード。あと5つアウトを取れば、58年ぶりのワールドシリーズ進出が実現するはずだった。しかし、8回1死二塁。左翼ファウルゾーンに飛んだ打球にカブスファンのバートマンさんが手を伸ばして、捕球態勢に入った左翼手アルーは捕球できず。捕球しそこなったアルーはグラブを叩いて悔しがった。このプレーからカブスは大逆転負け。第7戦も落としてワールドシリーズ進出を逃し、一方のマーリンズは世界一まで駆け上がった。
カブスファンの怒りを一身に浴びたバートマンさん。事件以来メディアやファンの批判に長年苦しんできたが、カブスは2016年に108年ぶりにワールドシリーズ制覇。優勝リングはバートマンさんにも授与された。バートマンさんは「自分がこのような栄誉に値するとは思っていませんが、このような形で2016年の優勝リングをいただき、カブスに感謝するとともに感動に耐えません」とコメントしている。
新型コロナウイルスの影響で大リーグ、プロ野球を観戦する機会は現在与えられていない。しかし、再開された際には選手たちの真剣プレーに水を差さないマナーが、ファンに求められるだろう。