Wソックス左腕、背面キャッチ→“グラブごとトス” 機転利かせて美技完成
「切り替えて」美技、敗戦悔やむも「クールなプレーだった」
ホワイトソックスのデレク・ホランド投手が16日(日本時間17日)の本拠地マリナーズ戦で機転を利かせた“グラブごとトス”を見せ、美技を完成させた。
今季18試合目の先発マウンドに上がった左腕は、3回まで無失点の好投。しかし、5点リードで迎えた4回に“試練”が訪れた。先頭の強打者カノに2ストライクから3球目のスライダーを捉えられ、痛烈なピッチャーゴロに。背後にグラブを出して鮮やかにキャッチしたが、ここで問題が発生した。
ボールがグラブに挟まり、抜けない。ただ、ホランドの切り替えは早かった。一塁方向に走り出しながら、ファーストのアブレイユに合図し、グラブごと“送球”。アブレイユはこれを大事そうに両手で抱え込んだ。グラブは壊れてしまったため、交換することになったが、しっかりとアウトを取った。
地元テレビ局「WLS」の解説者は、「カノはアンラッキーでした。ホランドは簡単に(一塁ベース方向に)半分程度まで行き、グラブごと一塁に投げました」と笑いながら説明。ヒットになってもおかしくない打球だったが、素早い反応を見せた後、咄嗟の機転で阻止した左腕を称えた。
もっとも、ホランドはこの回後続の打者に打たれて1点を失うと、5回にも4失点して同点に追いつかれ、さらに6回には勝ち越されて6回途中6失点(自責5)で降板となった。チームも延長10回の熱戦の末に6-7で敗戦。それだけに、試合後にはMLB公式サイトの取材に対して「(グラブは)壊れていた。だから切り替えたよ。クールなプレーだったけど、勝てるかどうかが心配だった。特にカノのような選手に対してこんなプレーが出来ればクールだ。でも、最も大切なのは勝つことだった。それが今日は出来なかった」と振り返っている。
カブスの左腕レスターは一昨年、昨年と2年連続で同じような出来事に見舞われながらアウトに仕留めているが、ホランドは「実はこれまでにこんなプレーをしたことはなかった」という。初のアクシデントにしっかり対応したことになるが、白星にはつなげられず。悔いの残る投球となってしまったようだ。