鷹・平石コーチ「仲間と過ごした時間は消えない」元PL主将も甲子園中止に胸痛める
「本当に軽はずみな言葉は発せない。自分が今高校3年だと思うと切り替えることはできない」
ソフトバンクの平石洋介1軍打撃兼野手総合コーチが21日、本拠地PayPayドームでの分離練習後にオンライン会見に対応した。新たな環境で迎えるシーズンへの意気込み、そしてPL学園高校時代に松坂大輔投手(西武)と甲子園で2度対決した平石コーチが今年の大会中止に抱く思いを語った。
昨年の秋季キャンプからコーチに加入し、ソフトバンクのコーチとして新たに迎えるシーズンの開幕は大きくズレ込むことに。今も続く自主練習の期間について「選手には本当に難しい期間だったと思う」と語り、選手とはグラウンドで会うたびに体調面や食事の面を気遣ってきた。
19日から野手と投手の合同練習に切り替わり「今までとは違う良い雰囲気でやれている。この3日間は特にハードにやったので、さすがに今日は疲れていたが良い動きだった。特にベテランの動きがいいですよ」と目を細める。最短で6月19日と見込まれる開幕に向けて「初めてのことで誰も経験したことがない。それだけに選手のメンタルケアやコンディションを含めて、我々がしっかりサポートしていきたい」とした。
1998年の夏の甲子園で、PL学園高校の主将として準々決勝で松坂がいる横浜高と対戦した平石コーチ。敗れはしたものの、延長17回の激戦は今でも高校野球ファンの語り草となっている。それだけに、今回のコロナ禍による大会中止に心を痛める。「本当に軽はずみな言葉は発せない。自分が今高校3年だと思うと切り替えることはできないと思う。最後に披露する場がなくなった。そういう場を何とか設けてあげられないか」と球児を気遣い「これまで出会った仲間と一緒に過ごした時間は消えないし、一生つきあっていく仲間。これからの時間を大切にしてほしい」とエールを送った。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)