「平成の怪物」復活のカギは? 松坂大輔が直面する課題

本人も自覚する「長年の悪い癖」

「ソフトバンクの松坂大輔」が、ついにお披露目された。

 宮崎で行われている春季キャンプ第2クール初日の5日。第1クールは、ブルペンでの立ち投げやシャドーピッチングなどを非公開にして行っていた背番号18が、ついに投球する姿を公にした。ブルペン脇にある約100席の観客席は超満員。立ち見や、席の脇にある通路にまでファンが押し寄せるほどの注目を集める中、その右腕を振った。

 まずは、プレートの後方、約2メートルの所に設置されている牽制練習用のプレートから16球。その後、ホームベースから18・44メートルにある本来のプレートから、捕手を立たせて、ワインドアップでカーブ、スライダー、カットボールを交えて15球。さらに、セットポジションでカーブを交えて9球を投じた。

 続いて捕手を座らせると、すべてセットポジションで次々とボールを投げ込んだ。まずはストレートを3球。その後、カーブ、カットボールを交えると、14球目からはすべてストレート。計35球を投げ、今キャンプ初の本格的な投球練習を終えた。

「キャンプは始まったばかりですし、こんなものかな。ストレスを感じながら投げることはなかった。初めにしては、感触はまずまずですね」

 こう“初投げ”を振り返ると、こうも話した。

「フォーム作りは、これから時間をかけてやっていく。今日は、それが本格的にスタートする第一歩」

 松坂の言うフォーム作りとは――。ここに、「平成の怪物」復活のカギが隠されている。

 キャンプ初日に見せたキャッチボール。踏み込む左足は大きく開き、一塁側へと流れる。体は開き、横振りになっていた。肘の位置が下がり、ボールはシュート回転。そのフォームは剛腕と言われた右腕の、かつてのそれではなかったと言わざるを得なかった。

 それは、本人も自覚していた。「長年の悪い癖が抜けないので、相談させてもらって、矯正するためにチェックをお願いしました」。キャッチボール中から、ダルビッシュ有や田中将大を指導してきた佐藤義則投手コーチと会話を繰り返し、自分なりのチェックポイントを示した。

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